STORY 02

「つながり」の前に、
まず自分を磨け

Repro平田祐介が語る、

人生を変えた出会い

Repro株式会社

代表取締役

平田 祐介

平田 祐介
  • 1980年、東京都生まれ。戦略コンサルタント出身のシリアルアントレプレナー。大手コンサルティングファームに入社後、経営戦略立案支援や成長支援業務に従事。2011年から複数の事業の立ち上げに関与したのち、2014年にReproを創業。

「つながりの前に自分を磨け。そうじゃない限り、つながれない。」

そう語るのは、マルチチャネル統合マーケティングオートメーション「Repro MA」とサイトスピード改善ツール「Repro Booster」を展開するRepro株式会社代表の平田祐介氏だ。
人との出会いが仕事やキャリアをつくる――。
そう聞くと、多くの人と会い続けてきた人物を想像するかもしれない。だが、平田氏の考えは少し違う。

彼が強調するのは、つながり続けたいと思われる自分であり続けること。

その考え方は、これまでに出会った人々との関係のなかで形づくられてきた。平田氏の人生の転機となった“出会い”と、そこから得た学びを聞いた。

2年間の空白が教えてくれたこと

平田氏は大学卒業後、すぐには就職しなかった。大学時代に仲間とスモールビジネスを行い、ある程度の利益を得ていたからだ。

当時は就職氷河期。多くの友人が同じリクルートスーツを着て就職活動に向かう姿を見て、平田氏はこう感じたという。

「人と同じ行動を取ったら、人と同じ人生になるんじゃないかと思ったんです」

あえて就職という道を選ばず、自分の意思で人生を決める道を選んだ。だが、その後の2年間は決して誇れる時間ではなかった。

海外をふらつき、やりたいことに明け暮れる日々。転機になったのは、久しぶりに再会した大学時代の友人たちだった。

社会に出て2年。再会した友人たちの中には、驚くほど成長している人がいた。

「大学のときは特に注目してなかった人が、社会に出てめちゃくちゃ成長してたんです。 その姿を見たとき、本能で“負けてるな”って思いました」

その瞬間、「働かなきゃ」と思ったという。
尊敬する先輩に相談し、勧められたのがコンサルティング業界だった。

鬼軍曹とCFOとの人生を変える出会い

だが、コンサルティング会社で待っていたのは想像以上の厳しさだった。

最初に配属された戦略チームでは、社内で“鬼軍曹”と呼ばれる上司が率いるチームに所属したが、ほとんど価値を出すことができず、チームから外されることになった。
「毎日『クビだ』って言われてました。
人事の人が“大丈夫ですか?”ってケアに来るくらいでしたね(笑)」

1日18時間、週7日働く日々。それでも、その環境で叩き込まれた仕事への向き合い方は、後のキャリアを大きく変えることになる。

次のプロジェクトで、鬼軍曹のもとで学んだことを愚直に実践した。
すると、大手商社のCFOから直接感謝されるほどの成果につながった。

「社会に出て初めて認められた気がして、めちゃくちゃ自信になりました」

その成功体験が、平田氏のキャリアの転機になった。
ただ、その経験には今も残る後悔がある。
自分を評価し、成長のきっかけをくれたそのCFOとは、今はもう連絡が取れていないのだ。

「今どこで何をされているかも分からないです。いまだに感謝を伝えたい、という思いがあります」

平田氏はこう振り返る。
「出会いの価値って、だいたい10年後に気づくんです」

当時はつらかった経験やなんとも思っていなかったことが、時間が経って初めて 「あの経験がなかったら今の自分はない」と分かる。

だからこそ、過去の出会いを思い出せる形で残しておくことは大切だという。

Reproを生んだ「やりきる男」との出会い

その後、平田氏は起業の道へ進む。
そこで参加したのが、週末3日間でプロダクトを作るイベント 「スタートアップ・ウィークエンド」だった。

「一緒に事業を作れるエンジニアに出会いたくて参加しました」

そこで出会ったのが、後にReproの共同創業者となる三木氏だった。

「彼はエンジニアとは思えないくらい強気で、『俺は人生かけてここに来てるんだ、お前はどうなんだ』っていう感じの人でした」

二人はイベント期間中、徹夜でプロダクトのベータ版を作り上げた。その経験を通して、確信したことがあった。

「こいつはやりきる男だ」

技術力は後から伸ばせる。だが、やり抜く覚悟だけは簡単には手に入らない。

「結局、起業して何かを成し遂げるのに一番大事なのはグリット、やりきる力だと思ってます」

ロンドンのパブで出会った男が、会社を救った

だが、起業の道は平坦ではなかった。
2度目の起業で始めたEC事業は、広告を出すほど赤字が広がり、資金も尽きかけていた。

そんな時、Facebookの「知り合いかも」に、ある名前が表示された。
大学時代、ロンドンを旅していたときにパブで出会った人物だった。

「これは今の自分を助けてくれるかもしれないと思ったんです」

彼はグロースハッカーとして活動していた。
紹介されたツール「Ghostrec」でサイトを改善したことで、事業は立て直された。

「1万円広告を出すと、1万円以上売れる状態まで持っていけたんです」

事業は黒字化した。だが、平田氏はふと立ち止まる。

「借金は返せたけど、俺たちは本当にこれをやりたかったんだっけ」

そうして会社を清算する決断をした。
自分たちを救ったGhostrecのように誰かのビジネスを支えるプロダクトを作りたいと考える。
こうして共同創業者の三木氏と立ち上げたのが、アプリのマーケティングを支援するサービス Repro だった。

つながり続けたいと思われる人になる

では、そんな数々の出会いでキャリアを築いてきた平田氏に聞く。 人とつながり続けるために何が必要なのか。

「相手の立場に立った時に、つながり続けたいと思われる人間になっているか」

形式的に連絡を取り続けることではない。自己研鑽を止めないことだという。

「僕は、つながり続けたい相手を仮想ライバルみたいに見立ててます。次会うときまでに、この人より自分が成長してないとダサいなって」

人との出会いは、すぐに意味を持つとは限らない。むしろ、その価値に気づくのはずっと後かもしれない。
自分を更新し続けること。それが、誰かとつながり続けるための最大の礼儀なのだ。

目の前の仕事や会社の成長に必死だった話の連続だった。

それでも振り返ると、いくつかの出会いが確実に人生の節目に立っている。
この春に出会う人が、10年後どんな意味を持つのかは、まだ分からない。ただ、その出会いを思い出せる形で残しておくこと。それだけでいいのかもしれない。

平田 祐介
平田 祐介 に聞く

つながり一問一答

Q ビジネスで出会いを増やすために意識していることは?
自己研鑽、一択。
Q どんな人と一緒に仕事をしたいですか?
「自分の人生を本気で生きようとしている人」。
Q 新しいコミュニティで信頼を得るために心がけていることは?
差別化。「Who I am」を説明できるかどうか。印象に残らなければ、つながりは続かないと思います。
Q この春、会ってみたい人は?
志が高い若者。差別化した連絡なら返信します(笑)。

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