電通グループの総合広告会社である株式会社電通ランウェイは、営業職採用にSansan株式会社のEight Career Designを活用。外資系広告会社等での業界経験が長く、かつマネジメントも行っていた即戦力1名の採用に成功しています。電通ランウェイならではの柔軟な活用方法や、スカウト・カジュアル面談の工夫などを伺いました。
”対応力の高いプロデューサー集団”をめざす当社が求めるのは「マルチスキル型人材」の営業職
<お話を伺った方>
コーポレート統括本部 コーポレート事業部 人事部長 衛藤 美穂様
──まず、電通ランウェイとはどのような会社か、なりたちや事業内容を教えてください。
衛藤様(以下、衛藤):電通ランウェイは2019年、電通のメディアビジネス推進局(当時)の業務拡大を受け、スピンアウトするかたちで誕生した電通グループの総合広告会社です。当初はわずか4名のスタートアップでしたが、創業7年を迎える2025年現在では約160名のメンバーを抱え、規模は年々拡大傾向にあります。
「メディア」の部署をルーツとする当社ですが、提供できるのはテレビCM等の広告にとどまりません。ポップアップショップの企画運営や交通広告、デジタル広告など、あらゆるソリューションを顧客課題に合わせて組み合わせ、企画立案から効果検証まで総合的にサポートしています。電通グループならではの知見と豊富なリソースを活用しつつ、小回りの利く組織で迅速にソリューションを提供できることは、電通ランウェイならではの強みと言えるでしょう。
──大手とベンチャーを掛け合わせたような、ハイブリッドな強みですね。ちなみに、クライアント企業にはどのような傾向があるのでしょう。
衛藤:特に傾向はありません。強いて言えば、母体となった部署が外資系企業との取引を得意としてきたことに起因して、外資系企業の占める割合が大きいことでしょうか。とはいえ現在では国内外問わず、誰でも知っているようなエンタテインメント、OTA(オンライン旅行代理店)、ヘルスケア、ヘアケア、飲食チェーンなど、本当にさまざまなクライアント企業からご相談をいただいています。

──電通ランウェイにおける営業の役割についても教えてください。一般的な総合広告会社の営業とはなにが異なるのでしょうか。
衛藤:総合広告会社の多くは、基本的に「分業制」で対応していると聞いています。営業担当は、プランナー、マーケター、クリエイターなどと協力しながら、プロジェクトを進行する役割を担います。
一方で、電通ランウェイの営業は「マルチスキル型人材」。企業理念として掲げている「メディアコミュニケーション領域とブランドエクスペリエンス領域における対応力の高いプロデューサー集団」を目指している当社の営業は、メディアプランニング、バイイング、PR、クリエイティブなど、営業担当が一定の知識を持ってさまざまな業務を担います。一人または少数精鋭のチームで、ブランドの成長を一貫して支援し、幅広い領域をカバーできることは当社営業の強みです。クライアントにとっても、短時間でスピーディーにプロジェクトを進められるというメリットがあります。若手にも実践のチャンスが豊富にあり、早い段階から責任あるポジションで経験を積むことができます。電通から出向してきた社員は、「電通ランウェイは打席に立つ回数が圧倒的に多い」と言っていましたね。
──ハイレベルな知見や経験が必要な仕事に見受けられますが、営業職における採用ターゲットについても教えてください。
衛藤:大きく分けて二つです。まずは、広告業界での経験を活かした即戦力人材。加えて、異業界からチャレンジするポテンシャル人材も求めています。
即戦力の場合は、「広告業界で培ってきた自分の武器をどのように活かし、足りない部分をどう補っていきたいのか」明確にイメージできる方が望ましいです。また、広告業界の経験がない場合でも、「この業界で何をして、どんなキャリアを描きたいか」のビジョンがあるかは重視していますね。どちらの場合でも、電通グループのデータベースやノウハウ、人脈などを積極活用して、自ら学ぶ姿勢のある方に来ていただきたいと考えています。
現在、異業界出身者は金融、コンサル、貿易、商社など非常にバラエティ豊か。広告業界の経験がなかったメンバーも第一線に立って活躍していますよ。
大幅アップデートで使いやすくなったことが決め手に。スカウトに採用イベントの告知を添えて集客にも活用
──これまでどのような採用手法を活用していましたか。また、課題はありましたか。
衛藤:人材紹介やハイクラス向けのダイレクトリクルーティングサービスを中心に活用していました。ただ、候補者の方に事業内容をイメージいただきにくかったり、スカウトを打ってもなかなか反応してもらえなかったりといった課題感は慢性的にありましたね。
──今回、Eight Career Designの導入に至ったきっかけや決め手を教えてください。
衛藤:実は、Eight Career Designができたばかりの2020年に一度試したことがありましたが、コロナ禍だったこともあり採用には至らず。改めて、今回2024年に再提案を受けました。管理画面や候補者の検索軸が大幅にアップデートされていることを知り、「以前より使いやすそうだ」と感じたことが決め手で再開しました。
──再開ありがとうございます。今回Eight Career Designをどのように活用したのかも、詳しくお聞かせください。
衛藤:カスタマーサクセス担当の協力を得ながら、約200件のスカウトを広告業界の候補者を対象に、1週間程度で配信しきりました。文面には当社が協賛した採用イベントの告知も添えていたのですが、当日は「スカウトを見て来ました」と声を掛けてくれる熱量の高い方もおり、好感触でしたね。
また、イベントには来られなかった一部の候補者の方へは、再度スカウトでアプローチ。そこから1名の採用につなげることができました。

──スカウトやカジュアル面談の際、工夫していたポイントはありますか。
衛藤:スカウトは「選考の案内ではない」ことをはっきりと伝えていました。カジュアル面談はあくまで採用広報の一環と私は捉えて、コンパクトに15~30分程度で設定していました。「そのくらいなら話してみよう」と気軽に感じてもらえるボリュームを意識していましたね。
カジュアル面談当日は、よく質問をいただく「電通との違い」をご説明したうえで、それ以外は候補者の方が知りたいこと、気になったことを中心にお話していくことを心がけています。
外資系広告会社に勤める転職潜在層の即戦力を採用。候補者のニーズと会社の強みがマッチ
──Eight Career Design経由で採用に至った方について教えてください。
衛藤:今回採用したのは、新卒から一貫して広告業界で営業をしている40代の男性です。メンバーをマネジメントしたご経験も長かったようで、即戦力として採用しています。前職は外資系の広告会社に勤めており、なかでもメディカル分野に強みを持っているプロフェッショナルの方でした。一方、ご自身のキャリアのなかでテレビCM等のマスメディア領域に課題意識があったようです。この点はまさに、電通ランウェイが得意とする領域であり、双方のニーズが合致するかたちで採用に至りました。
また、たまたま当社内に前職がこの方と同じ社員がいて、この方のよい評判を事前に聞けたことも、安心材料の一つになりましたね。名刺情報から社名や部署名が明確に分かるEight Career Designだからこそチェックできた部分と言えるかもしれません。
──ベテランの即戦力かつ、まだまだ成長意欲のある優秀な人材と出会えたのですね。ちなみにその方は積極的な転職活動をしていたのでしょうか。
衛藤:いえ、「よい会社があれば」というスタンスで、積極的に活動されていたわけではありませんでした。同時期に受けていた他社の選考もなかったようです。従来の手法では出会えなかった転職潜在層とマッチすることができました。

──他サービスと比較して、Eight Career Designのメリットがあれば教えてください。
衛藤:二つあります。一つは、名刺情報から在籍した会社や部署の変遷が分かることです。いまの部署だけではなく、どんな部署に何年間いたのか一目瞭然であるため、スカウトを送る際の判断材料にしやすく、無駄打ちを防ぐことができました。
もう一つは、カスタマーサクセス担当の手厚いサポートです。他サービスも活用してきましたが、ここまで丁寧に伴走してくれるサービスは珍しいと思います。「15分でこれをやりきりましょう」、「次の打ち合わせまでにこれを対応してください」など、クイックかつ明確にマイルストーンを置いてくれるので、非常にやりやすさを感じていましたね。
知名度で苦戦してきた企業こそ、アプローチ次第でチャンスがあるEight Career Designが有効
──Eight Career Designはどのような会社におすすめですか。
衛藤:当社のように、知名度に課題を感じている企業にはおすすめです。他の求人サイトやダイレクトリクルーティングサービスでは、どうしても知名度の高い大手企業のほうが、興味をもってもらえる可能性が高いですよね。
一方で、Eight Career Designはまだ競合が少ないこともあり、対象者へ正しくアプローチできれば、きちんと反応が返ってくるサービスだと感じました。知名度のある企業以外でも、十分採用チャンスがあると思います。

──最後に、今後の展望や採用計画について教えてください。
衛藤:2024年に中期経営計画を発表しまして、「2030年に売上3.7倍」の方針を掲げました。そのため、300人規模の会社になることを目指して、積極的な採用活動を続けていきます。
もちろん、採用することだけがゴールではありません。転職を考えられている方は、何かしら目標や課題意識があるはず。電通ランウェイは挑戦する姿勢のある方を応援します。目指したい方向性が当社と合致する方、自分に足りないものを積極的に学んでいこうとする方と一緒に、さらなる会社の規模拡大を実現していけたらと願っています。
※インタビュー内容は、2025年5月8日時点のもの
執筆・撮影:安光あずみ