株式会社メガチップス

ファブレス半導体メーカーが財務マネジメント候補者を採用。秘訣は、Eightだから実現した「8回のカジュアル面談」

転職潜在層向けサービスだからか、担当者が面接を急かしてくることも、候補者が入社を焦っていることもなく、8回のカジュアル面談でじっくりと価値観をすり合わせることができました。

株式会社メガチップス
目的
  • 財務部門長の後継候補として、30~40代の財務経験者を採用したい
  • スピード感や提案力を求める会社の社風や価値観にマッチする人材と出会いたい
課題
  • スカウトサービスの対象者に当たりつくしても採用できないほど苦戦
  • 面談しても、価値観の合う人材が見つからない
効果
  • 1名の財務マネジメント候補者の採用に成功
  • 複数回のカジュアル面談でじっくりと価値観のすり合わせができた
  • 他部門でも、部門長の後継候補採用にEight Career Designを継続活用中

「工場を持たない半導体メーカー」のパイオニアとして業界を牽引してきた、東証プライム上場企業の株式会社メガチップスは、Sansan株式会社のEight Career Designを活用し、財務マネジメント候補者の採用に成功。他社スカウトサービスでも採用できなかった高難易度な人材を、どのようにEight Career Designで見つけ、採用に至ったのか。ハイクラス人材・コア人材採用のヒントを探りました。

唯一の財産は「人」。日本初、工場を持たない半導体メーカーのパイオニアが考える、5年先を見越した採用戦略

<お話を伺った方>

取締役副社長 林 能昌様
執行役員 人事統括部 部長 松野 宏則様
管理本部 人事統括部 人事課 課長 浅倉 誠様

──はじめに、メガチップスの事業について教えてください。

林様(以下、林):私たちは創業から30年以上にわたり、主に「LSI」と呼ばれる半導体関連の製品を提供してきた企業です。最大の特徴は「ファブレス」、つまり「工場を持たない」こと。製造は外部の工場へ委託しますが、メーカーとして開発、製造、品質保証、販売まで責任をもってお客様に製品を提供しています。

いまでは珍しくないファブレスモデルですが、メガチップスが創業した1990年当初、日本には存在しませんでした。メガチップスは半導体の本場であるシリコンバレーの考え方をいち早く導入した、日本初のファブレス半導体メーカーです。

──ファブレスモデルにはどんなメリットがあるのでしょうか。

林:メリットは2つあります。1つは、お客様のご要望を聞いたうえで、品質、性能、コスト面などで最適な組合せとなる工場を選び委託できること。お客様にとってベストなソリューションを柔軟に提供することが可能です。

もう1つは、工場を建設し、保有し続けるためのコストがかからないこと。半導体関連事業の工場建設には、当時でも何千億もの費用が掛かり、コストを回収するにも長い期間を要します。創業当初たった7名のベンチャー企業だったメガチップスは、自社工場をもつ大手半導体メーカーと資金面で対等に戦うことはできません。そこで、工場という資産をあえて持たないスタイルで、アイデアや開発力で勝負し、独自の成長を続けてきました。創業10年目にあたる2000年には、東証一部(現:東証プライム市場)への上場も果たしています。

取締役副社長 林 能昌様

──続いて、メガチップスの採用戦略について教えてください。

松野様(以下、松野):ファブレスメーカーという会社の形態であるからこそ、メガチップス唯一の財産は「人」だと考えています。そのため、採用活動には全社で注力していますね。

何万人もの社員を抱える大手メーカーとは異なり、少数精鋭で挑戦するベンチャー精神を大切にしてきたメガチップスが社員に求めるのは、「スピード」と「変化」です。どんな職種においても言われるがまま仕事をするのではなく、自分で考え、提案し、実際に改革していける人材を採用し、育成していきたいです。

具体的に、会社の中核となる管理職層や幹部候補については、穴埋め的な採用ではなく、5年後~10年後を見越した採用をしています。各ポストの後継者育成にかかる時間も考えて、現状の役職者より10歳ほど若い、40代くらいの層をターゲットとして、採用活動することが多いですね。今回募集した財務のマネジメントポジションについても、将来の部門長候補として活躍できる人材を求めていました。

執行役員 人事統括部 部長 松野 宏則様

高難易度の財務採用に大苦戦。スカウトサービスで候補者に当たりつくし、打ち手をなくした状況でEight Career Designを導入

──財務は高い専門性や経験が求められる職種かつ、人材の母数も少ないと思われますが、実際の採用状況はいかがでしたでしょうか。

浅倉様(以下、浅倉):やはり、非常に苦戦しましたね。募集を始めてから採用まで、1年以上掛かっています。ハイクラス向けスカウトサービスにて、1,000人近い候補者リストをチェックし、絞り込んだ100名ほどにスカウトを送っても、選考に進めることができるお返事はなかなか返ってこない状況でした。

松野:また、返事のあった候補者と会話をしても、価値観やフィーリングが合いにくいと感じていました。実現したいことや考え方が会社とマッチしていないと、長く続かなかったり、想定していた成果を出してもらえなかったりする要因となります。価値観が合って、「もう少し話してみたい」と思える方に出会うことができず、もどかしい状況が続いていました。

──苦戦している状況で、どうしてEight Career Designの導入を決めたのでしょうか

浅倉:お願いしている採用コンサルティング会社からの紹介で、Eight Career Designを知りました。そのときには、他社のスカウトサービスの候補者にほとんど当たりつくしてしまった状況。打ち手がなくなって困っていたため、新しい手段にチャレンジしてみようと思いました。「いいと思ったらまず試してみよう」という社風もあってか、使ったことのないサービスでしたが、スムーズに導入は決まりましたね。

管理本部 人事統括部 人事課 課長 浅倉 誠様

転職潜在層への早期接触で、東証プライム上場企業の財務経験者採用に成功。8回のカジュアル面談で丁寧に価値観をすり合わせ

──Eight Career Designでは、どのような条件で、何名ほどにスカウトを送りましたか。

浅倉:職種、年収、年齢、勤務地(関西)で絞り込み、厳選した20名ほどにスカウトを送りました。

――20名ほどにスカウトを送信してみて、反応はいかがでしたか。

浅倉:複数人からすぐにお返事をいただきました。翌日に返事をくれた方もいて、スピード感に驚きましたね。他社サービスでなかなか返事をもらえず苦戦していたので、返信率は圧倒的にEight Career Designが高いです。そのうち、3名ほどと面談のうえ、東証プライム上場企業で財務担当部長を務めていた方の採用に成功しました。採用に至った方は、2024年4月にスカウトを送り、2024年10月の入社となっています。

――じっくり時間をかけてアプローチされていますね。採用に至った方とは、どんなコミュニケーションを重ねられたのでしょう。

林:カジュアル面談を8回しています。副社長の私はもちろん、上司となる財務部長や、創業者である会長とも面談してもらいました。なんだか波長が合ったんですよね。こちらの一方的な片思いではなく、その方からも会いたがってくれている状況でした。複数回会っているうちに、当社が大切にしている価値観もしっかりとすり合わせることができました。

――採用に至った方は、どんな価値観や、実現したいビジョンを持っていたのでしょうか。

松野:前職は売上が何千億規模の大企業で、資金調達や資金活用などを担当されてきた方でしたが、中小規模の会社で業務範囲を広げ、自分ができる財務業務+αの仕事をしていきたいと考えられているようでした。まさに当社の、「自分で考えて提案する」という人材のイメージにマッチしています。この方ならポジティブにさまざまな行動を起こし、財務領域を活性化してくれるのではないかという期待感がもてましたね。

──貴社の求める人物像にぴったりですね。ちなみに、この方は転職活動をしていたのでしょうか。

林:ちょうど、人材紹介会社に登録しようか迷っていたタイミングのようです。Eight Career Designだからこそ、転職意向はあるけれどまだ検討中の転職潜在層に、先手を打つかたちでスカウトを送ることができました。

第二創業期における「部門長の後継候補」採用に、Eight Career Designを積極活用していきたい

──他社サービスと比べて、Eight Career Designのよかった点を教えてください。

浅倉:まず、8回もカジュアル面談できるのはEight Career Designならではでしょう。Eight Career Designは、エージェントサービスのように担当者が面接設定を急かしてくるようなこともありませんし、候補者自身も転職を焦ってはいません。ざっくばらんに話し合う機会を、回数制限なく設けることができるのは、当社のスタイルに合っていると思います。

松野:また、Eight Career Designは名刺情報から社名や役職が明らかなため、おのずと何名規模の会社で、何名くらいのチームをマネジメントしてきたか、面談前にある程度推測が可能です。他サービスでは、社名などは任意登録か非開示となっている場合が多いため、メリットに感じましたね。そういう観点では、担当者レベルというより、管理職以上や幹部候補レベルを採用するのに最適なツールだと思いました。

――今後の採用戦略や、Eight Career Designの活用方法について教えてください。

松野:2025年には創業35年を迎え、第二創業期に入るメガチップス。これからも積極的に、新規事業の立ち上げや事業拡大にチャレンジしていきたいと考えています。「現状維持は衰退」の考え方に基づき、会社を5年後、10年後も大きくしていくためには、部門長の後継候補を世代ごとに採用、育成していくことが必要でしょう。引き続き30代~40代の中核人材の採用には力を入れていきたいです。

採用において、「量より質」にこだわって価値観を重要視する当社のスタイルには、Eight Career Designがマッチしていました。財務の採用に引き続き、現在は情報システム部門の候補者と面談中です。これからもさまざまな職種の管理職候補採用に、Eight Career Designを活用していきたいですね。

※インタビュー内容は、2024年12月9日時点のもの
執筆・撮影:安光あずみ

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