これからの採用と組織づくりのポイントとは:セミナーレポート
セミナーレポート
2020年11月6日 開催

社員の定着と活躍を最大化する! これからの採用と組織作りのポイントとは

優秀な人材の採用が難しくなる中で、採用や組織作りは大きな課題と言えるのではないでしょうか。

今回は、今後の採用の動向や戦略、獲得した人材を定着させるための組織作りのポイントについて、株式会社PR Tableの久保 圭太氏を招いたセミナーの内容を、ダイジェストでご紹介します。

登壇者

久保 圭太(くぼ・けいた)

株式会社PR Table カスタマーストラテジー Mgr・PRSJ認定PRプランナー

新卒でアドウェイズに入社。全社の採用・育成・制度づくりや海外拠点を含めた社内外のコミュニケーション戦略を統括。2018年よりPR Tableに参画。現在はCS責任者として、導入企業様向けのコンテンツ開発支援やリレーション構築活動を行う。

橋本 剛(はしもと・ごう)

Sansan株式会社 Eight事業部
Eight Career部 マネージャー

新卒でカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社に入社。Tポイント提携営業やデータベースマーケティング事業に従事した後、2019年に弊社に入社。Eight Career部立ち上げに際し、セールス部を中心に関わる。現在は月間100件程度、社内外の人事の方と面談。

変化する採用市場での優秀な人材確保において重要なこと

久保氏:新型コロナウイルス感染拡大の影響により、人事評価の軸や労働市場、働く価値観そのものが大きく変化しています。

これは採用においても同様で、これまでオフラインで行っていた会社説明会や面接ができなくなるなど、採用の手法を見直す必要性が生まれているのです。

市場課題に対する打ち手

久保氏:また、2030年には7073万人の労働需要に対して、労働供給が6429万人しか見込めないことがわかっています。こうした中で重要なのが、優秀な人材の確保と生産性向上です。

「待ちの採用」から「攻めの採用」へ移行すべき理由

橋本:いわゆる「待ちの採用」において希少性の高い優秀な人材を確保しようとすると、コストの高騰は避けられません。また、労力をかけても他社に流れてしまうことも少なくありません。

中途採用における課題

橋本:実際に、1年間で転職する方は就業者全体の5%ほどというデータもあります。こうした状況下で優秀な人材を確保することは、より難しくなると予想されます。

転職市場はレッドオーシャン

橋本:こうした中、ダイレクトリクルーティングやリファラル採用などによって、転職活動中の人材だけでなく、転職検討中、または市場に出る前の潜在層に対して企業から直接アプローチできる手法が求められているのです。

新しい転職市場へのアプローチ

橋本:こうした際に大切なのは、オウンドメディアを活用した採用ブランディングなどを元に、社外に自社の魅力を伝え、候補者に興味を持ってもらうことです。

候補者を探すフロー

橋本:採用までの流れは、以下のようなフローを経ます。

ミスマッチのない採用を実現するために

そのうち、潜在層の候補者へのアプローチのために重要な「候補者を探すフロー」は、大きく以下2つのフェーズから構成されています。

<候補者探しのフローを構成する2つのフェーズ>
・候補者の要件定義
・候補者を探してアプローチ

候補者の要件定義

橋本:求める人材の理想像が高すぎたり、候補者が求めている社格と自社のそれが合わなかったりといったミスマッチを防ぐためには、人材の要件を細かく決めることが大切です。

候補者を探してアプローチ

橋本:Sansanでは自社の強みを言語化し、候補者に実態を伝えて惹きつけることを重要視しています。

見極めのフロー

橋本:ここでは以下2つのポイントが重要です。

<見極めのフローを構成する2つのフェーズ>
・チャネルに関わらず同じ選考フローで正しく見極める
・事業の健康度(=経営状況・事業課題等)に合わせて見極めの基準を決める

たとえ社員から紹介された人材だったとしても、通常と同じ選考フローで正しく見極めることが必要です。

また事業の健康度に合わせて採用基準を調整し、高い解像度で候補者を設定することも大切です。候補者に合わせて、若手なら若手や中堅の社員を、ベテラン層なら事業責任者をアサインすることも重要視しています。

まとめ

橋本:ダイレクトリクルーティングについては、弊社が提供している「Eight Career Design」などをご活用いただくことも可能です。ご興味をお持ちの方はぜひご検討ください。

社員の定着に重要なのは「従業員エンゲージメント」

続いてPR Tableの久保氏より、採用した社員の定着や組織の活性化のエンゲージメントについてお話いただきました。

従業員エンゲージメントの重要性

久保氏:ギャラップ社の調査によると、従業員のエンゲージメントは組織活動と強い結び付きがあることがわかります。特に生産性や収益という部分で大きな影響を与えていることが読み取れます。

従業員エンゲージメントの重要性

久保氏:また質問内容は、12問中9問が他者との関係性を考慮した内容です。つまり従業員エンゲージメントは、他者との関係性が重要であることがわかります。

Q12の設問とは

久保氏:企業活動の中の人間関係は、企業文化と理念浸透に集約されるのではないかと考えています。

期待される、称賛される、褒められるといったことが組織の中で日常的に発生するのは、MVPなどの制度がある企業文化だからこそであり、理念浸透がしっかり行われているからでもあるのではないでしょうか。

つまり、従業員エンゲージメントを高めるためには企業文化と理念浸透をより進めるアプローチが重要だといえます。

エンゲージメント向上の鍵は入社前からのビジョンや理念への深い共感

企業文化/理念浸透は従業員だけにアプローチすれば良いのか?

久保氏:企業の認知から入社、退職までの従業員のエンゲージメントの推移を見てみると、採用・入社時点にエンゲージメントが最大化しているケースが多いことがわかります。

つまり入社までの段階で、会社のビジョンや理念、スキルに共感している候補者は、入社後の理念浸透アプローチが容易になるということです。そのため採用前から、会社のビジョンや理念、スキルに対するマッチングは非常に重要なポイントだといえます。だからこそ、入社前後の設計については一貫性を持って行っていくべきでしょう。

情報発信のやり方と中身を見直す

久保氏:こうした組織や仕組み作りのためには、それぞれの企業の課題に応じて以下の2つが重要です。

<企業文化と理念浸透をより進めるためのポイント>
・情報発信のやり方を変える
・情報発信の中身を変える

情報発信のやり方と中身を変える

久保氏:企業主体の情報発信を、キーマンを通じて行うことで、自社のことを自分事化してもらいやすくなります。

キーマンに最適な人材は、部下や後輩との距離が近く、上層部も顔と名前、成果がわかるような人物です。ミドルマネジメントやチームリーダーを行っている人がよいでしょう。

キーマンを巻き込むためには取材を通したコンテンツ作りなどを行い、成功体験を引き出していくことが必要です。

ノウハウやプロジェクト秘話といったキーマンの体験と想いを載せたコンテンツを継続的に発信することで、キーマンとしてのポジションを作っていくことができます。また特別な研修などを行ってキーマン本人の情報発信力やコミュニケーションスキルを高められるような施策を行えるといいですね。

こうした発信を行うことで、キーマンを軸に候補者への理念浸透が促進され、またコミュニケーションも継続的に行われるようになります。

実名と顔を出して語る姿は社外の方でも共感しやすく、またより身近な人物が代弁することで、社内への理解も広がりやすくなるでしょう。

自分に近い存在=信憑性が高い

キーマンの育成は社内にも良い効果が

久保氏:キーマンを育てるためには、存在承認、行動承認、結果承認という3つを、しっかりと適切に行っていくことが必要です。

3つの承認が適切に行われる必要がある

久保氏:PR Tableではこうしたキーマンの育成や、人を介在させることで思いやエピソードなどといった背景を発信する「Talent Branding(タレントブランディング)」およびストーリーテリングを「talentbook」というサービスを通して提供しています。

ポイントを押さえた攻めの採用を

優秀な人材確保とともに、社員を定着させるための組織を作り上げるためには、攻めの採用に転じ、人材を探す・惹きつける・見極めるというフローごとにポイントを押さえることが必要です。

また入社前から会社の理念やビジョンを共有し、マッチングすることや、より身近なキーマンに接触させることも重要なポイントであることがわかりました。皆様の明日の採用に、少しでもお役立ていただければ幸いです。

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