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年収3,000万円超の成約も。名刺データからハイクラス人材を獲得する秘訣は、経歴だけでは見えない「人生」のヒアリングにあり

「名刺の更新とは、キャリアの歩みを刻むことである」という言葉はいまでも心に残っていますね。現場でリアルに活躍している方々の「手触り感」が伝わってくるのが魅力です。

目的
  • ・マネジメント層やCxOクラスに特化し、企業の成長を牽引するハイクラス人材に出会いたい
  • ・候補者の人生に寄り添い、中長期的な伴走支援ができる関係性を築きたい
課題
  • ・レジュメベースのヒアリングでは表面的な経歴に終始しがちで、深層心理や価値観に踏み込んだ「深いヒアリング」が難しかった
  • ・大手媒体ではエージェント同士の熾烈な競争が激化
効果
  • ・大手企業のハイクラス人材を、スタートアップのVPoPや執行役員などの役職で成約
  • ・決定率は利用するスカウト媒体のなかで最高水準
  • ・名刺ベースのヒアリングによって候補者の「人生」を深掘りし、伴走型の支援を実現

IT・インターネット業界に特化したハイクラスエージェントである株式会社フューチャーリンクは、代表の松井様がビズリーチで殿堂入りしているように、提供サービスのレベルで一定の評価をいただいています。同社ではSansan株式会社のEight Career Designを活用し、高い歩留まりや決定率で、VPoP(プロダクト最高責任者)や執行役員といったハイレイヤー人材の獲得に成功。成約事例や他社媒体との違い、効果的な使い分けなどを探りました。

会社名
株式会社フューチャーリンク
事業内容
人材紹介、採用コンサルティング、人事コンサルティング
設立
2006年1月

お話を伺った方

Kenji Matsui 松井 健治

株式会社フューチャーリンク 代表取締役

早稲田大学法学部を卒業後、2001年にPERSOL社(旧インテリジェンス社)のヘッドハンティング会社に中途入社し、IT/インターネット業界の責任者として2年連続で社内MVPを受賞。

2006年にフューチャーリンク社を創業。IT/インターネット領域を中心に活動して、ビズリーチにおいては5回のMVPを獲得して、MVP最多獲得者として2024年に殿堂入りしたほか、最も実績のある一人として「HR SUCCESS SUMMIT2023」にて登壇。その他、朝日新聞、ダイヤモンド社、読売テレビ、NHKなどで取材、記事化を経験。これまでに10,000人以上の候補者や1,000人以上の経営者と面談実績を持ち、豊富な事例に基づいた客観的な視点にて転職支援を行っている。

Misato Terao 寺尾 美里

株式会社フューチャーリンク HRシニアディレクター

青山学院大学経済学部を卒業後、大手IT企業にてキャリアをスタート。営業やマーケティングを経験後、年間100名強の採用をする教育×IT企業の人事マネージャーを経験。その後、上場を目指すスタートアップ企業にて人事部門責任者としてバックオフィスの立上げに関与。

フューチャーリンク社では、IT・インターネット業界の企業に対して、ハイクラス人材を中心とした採用支援に従事。企業課題の深い理解に基づくマッチングと、求職者のキャリアカウンセリングから面接対策まで、転職活動全般のサポートにおいて高い実績を持つ同社の一コンサルタントとして活躍中。

IT×ハイクラス人材に特化した転職エージェントが重視する、「量より質」のコミュニケーション

──まずはフューチャーリンクについて、転職エージェントとしての強みや特徴を教えてください。

松井様(以下、松井):当社は2006年の創業当初からIT・インターネット業界、特にスタートアップ企業のハイクラス採用支援に特化してきた、少数精鋭の専門エージェントです。IT業界は変化が激しく、トレンドが目まぐるしく入れ替わりますが、我々はその時々の採用マーケットを読み解き、企業と候補者のあいだに「ストーリー」を作り出すことで、納得度が高いマッチングを実現してきました。

私たちの介在価値を例えるなら、ミシュランの星を競う豪華なレストランではなく、特定の顧客に深く愛される「質の高い小料理屋」。IT業界は変化が激しく、トレンドが目まぐるしく入れ替わりますが、我々はその時々のマーケットを読み解き、企業と候補者のあいだに「ストーリー」を作り出すことで、最適なマッチングを実現してきました。

代表取締役 松井 健治様

また、会社やメンバーに明確なKPIは設定されておらず、数字をシビアに追い求める社風ではないことも大きな特徴ですね。「量より質」のスタンスで、大手エージェントのように全方位をカバーするのではなく、自分たちが最も得意とするIT領域で、最高水準のサービスを提供することにこだわっています。

寺尾様(以下、寺尾)加えて、私たちは「仕事の本質はマラソンである」と考えています。目の前の成果より候補者の人生の幸せを重視しているため、その方にとって最適ではないと判断すれば、内定辞退を勧めるケースさえあります。それほどまでに候補者一人ひとりと徹底的に向き合い、「人生の棚卸し」に伴走するのが、私たちフューチャーリンクのスタイルです。

──変化の激しいIT業界ですが、最近ではどのような領域から、どのような人材採用の相談がありますか。

松井:最近はAI関連やセキュリティ関連のご相談が多いですね。決定ベースでは、約8割が40代以上のマネジメント層で、年収1,000万円以上の案件が中心です。残り2割はCxO(最高責任者)の案件。いずれも転職市場での母数が限られている、優秀人材のハイレベル採用となります。最近はAI関連やセキュリティ、フィジカルAIなどのご相談が多いですね。

──普段どのような媒体で候補者をサーチされていますか。

寺尾:どの媒体を使うかは個人の裁量に任せられていますが、私の場合は複数の大手スカウト媒体に加え、2023年から導入させていただいたEight Career Designを併用しています。主要な媒体にはそれぞれの特性があり、「転職顕在層」へのアプローチと、Eight Career Designのような「中長期的な潜在層」へのアプローチを戦略的に使い分けることが必要と考え、そのような使い方をしています。また、「Aのサービスに登録している候補者が、Bのサービスにはいない」というケースはよくありますので、日常的に複数媒体を活用し、幅広くアンテナを張り、サーチすることは必要だと考えています。

活躍人材の「リアル」が分かる手触り感。「動いてからが早い」転職潜在層へのアプローチで高い歩留まりを実現

──Eight Career Designを導入した理由を教えてください。

松井:そもそも当社は、新しいサービスにはどんどん挑戦してみる好奇心の強い社風です。2023年に提案をいただいた際、導入にあたってネガティブな理由が見当たらなかったため、新たな可能性を探るためにまずは使ってみようと決めました。

──実業務で使われてみて、率直なご感想はいかがでしょう。

寺尾:Eight Career Designは転職潜在層向けのサービスであるため、候補者の方が具体的に動き出すまでにはどうしても時間が掛かる印象です。しかし、動き出してからは非常にスムーズ。歩留まりもよく、決定率は現在利用している媒体のなかで最も高いかもしれませんね。

また、頻繁に大量のスカウトが届く媒体ではないからか、スカウトを送ってからしばらく期間が空いて、「いま気づきました」と返信をいただくケースも珍しくありません。それでもスカウト返信率は10%ほどを推移しており、他社サービスと比較しても遜色のない数値となっています。

HRシニアディレクター 寺尾 美里様

──大手媒体とEight Career Designはどのように使い分けていますか。

寺尾:Eight Career Designは一般的な転職媒体とユーザーのスタンスがまったく異なるため、長期的な伴走を前提とした、転職潜在層との接点作りに特化して活用しています。

また、私はEight Career Designの思想に強く惹かれています。以前、私がSansanの担当者様にインタビューした際お話いただいた、「名刺の更新とは、キャリアの歩みを刻むことである」という言葉はいまでも心に残っています。ほかの媒体が「転職用の履歴書」ならば、Eight Career Designは「ビジネス実績の蓄積」。現場でリアルに活躍している方々の「手触り感」が伝わってくるのが魅力で、積極的に使い続けています。

年収3,000万円超の成約も発生。「あなたの人生聞かせてください」から始まる伴走型アプローチ

──具体的な成約事例について教えてください。

寺尾:特に印象深いのは、大手IT企業でAI開発の責任者を務めていたインド籍の外国人の方の事例です。私がスカウトを送ったのは、「ちょうど履歴書を書き終えたばかり」で、転職活動をはじめようと大手媒体に登録する直前という、絶妙なタイミングでした。3ヶ月ほど伴走させていただき、結果、生成AI領域で国内トップクラスの企業に、VPoP(プロダクト最高責任者)のポジションで成約となりました。年収は2,500万円前後から3,200万円へと大幅にアップされています。彼のために新設されたVPoPは、まさに会社の未来を創る役割。エージェントとしての強い介在価値を感じられた案件となりましたね。

特にこうしたハイクラス層は、条件以上に『経営陣の志』をシビアに見ます。私の役割は、経営陣のまだ言語化されていない熱量を、候補者が共感できるストーリーへと『翻訳』すること。Eightで得た正確なデータという『信頼の土台』があるからこそ、私はその上に乗せるストーリーの構築、つまり言語化に全精力を注ぐことができました。

──長期伴走を前提とされているとのことで、成約に時間が掛かったケースもあるのでしょうか。

寺尾:はい、最長で9ヶ月です。大手SaaS企業で事業本部長を務めていた方が、京都のAIスタートアップに執行役員として入社されました。出会った当初、この方はいますぐの転職は考えておらず、情報収集しながら「人生に伴走してくれるエージェントを探している」というスタンス。無理に案件をプッシュせず、9ヶ月間じっくりと定期的に情報交換を続けました。現職を離れることに迷われる場面もありましたが、何度も面談を重ね、最終的に納得感をもって意思決定いただくに至りました。

──Eight Career Designの候補者には、どのような傾向があると感じますか。

寺尾:中長期的な視点でキャリアを考え、信頼できる相談相手を探している方が多いと思います。接点を持った候補者の方が「相談に乗ってくれるエージェントがいる」と、別の方を紹介してくださるケースも発生しており、大変ありがたいです。

ご紹介をいただけることは、エージェントとしてこれ以上に嬉しいことはありません。名刺という『信頼の最小単位』から始まった縁が、また別の信頼へと数珠つなぎになっていく。これこそが、私たちが目指す『出会いのイノベーション』の真実味だと思っています。

──そのような候補者へスカウトを送る際、工夫していることはありますか。

寺尾:案件ありきではなく、「あなたの人生の話を聞かせてください」というスタンスで送っています。当初は他社媒体と同様のスカウトを送っていたのですが、営業担当の方から「Eightはビジネスの場で活用するアプリ。文脈を大切にすべき」という助言をいただき、現在の文面となりました。いつもすぐに活用できる具体的なアドバイスを定期MTGの際にいただいているため、常にPDCAを回して運用することができています。

名刺データをもとにした深いヒアリングが決定率のカギ。「質のいい媒体」としての今後のブランディングにも期待

──ほかにも、他社媒体とEight Career Designで違いを感じる部分はありますか。

寺尾:他社はレジュメにある経歴をベースにヒアリングすること、Eight Career Designは名刺ベースの情報をもとにヒアリングすることが大きな違いとして挙げられます。嘘がつけない正確なビジネスのログである「名刺データ」は信頼性の観点で非常に魅力的ですね。

──とはいえエージェントとしては、本人が作ったレジュメに書いてある経歴ベースでヒアリングしていったほうが、「簡単」ではないでしょうか。

寺尾:私の場合、レジュメには表れない候補者の深層心理や、プライベートで大切にされている価値観にまで深く踏み込んでヒアリングしていきたいので、経歴ベースにならない面談のほうがやりやすいと感じます。名刺という「点」の情報を、対話を通じて「線」にし、その方の人生のストーリーを共に紡いでいく。ここまで対話に「深さ」が出るのはEight Career Designならではですね。

実は、Eightはつながり自体は直接見えない仕様になっていますが、私はそこが良いと思っているんです。見えないからこそ、名刺の変遷という『点』の情報から、その方がどのような挑戦をしてきたのかという背景を推察する。そしてお会いした時に、その名刺の裏側にある物語を伺う『余白』がある。その不完全さが、実は深い対話を生むスイッチになっています。

──「深いヒアリング」はどのような場面で活きてくるのでしょう。

寺尾:最終的な意思決定の場面で大きな力を発揮します。選考が進むなかで候補者が迷われた際も、深いヒアリングで引き出した「原点」に立ち返ることで、本質に沿ったアドバイスができるのです。また、キャリアとライフは密接にリンクするもの。ご家族の状況まで含めた人生そのものをヒアリングのうえ、伴走していくことで、結果として高い歩留まりや決定率の向上につながります。

──最後に、今後のEight Career Designに期待することをお聞かせください。

松井:Eight Career Designは契約エージェントを厳選、限定していると伺っています。他社媒体と異なり有象無象のエージェントと熾烈な競争をする環境ではないことは大きな魅力だと思っています。今後は「本当に質のいいエージェントと人材がいる媒体」というブランドが、より一層確立されていくことを期待します。単に転職活動や採用活動のためだけでなく、根源的な人と人との出会いを生み、可能性を最大化させる「出会いのイノベーション」ツールとして、今後もEight Career Designを活用していきたいです。

寺尾:私も松井と同意見です。Eightには、これからも単なる「名刺データベース」を超えて、ビジネスパーソンの志が集まる「信頼のインフラ」であり続けてほしいと期待しています。

効率化やAI化が進む時代だからこそ、最後は使い手である私たちの『人間としての感度』が問われます。私自身、Eightのような優れたツールを最大限活用する一方で、あえてデジタルから離れて身体を整える時間を大切にしています。このアナログな自己規律によって感度を研ぎ澄ませているからこそ、面談で候補者様がふと漏らした本音や、人生の優先順位の変化に気づくことができる。

テクノロジーによって浮いた時間を、そうした『人間にしかできない深い洞察』に充てていきたい。Eightという「信頼のインフラ」の上で、私たちが人間臭い対話を重ねることで、本当の意味での「出会いのイノベーション」を体現し続けていきたいです。

※インタビュー内容は、2026年4月2日時点のもの
執筆・撮影:安光あずみ

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