1975年創業のヘッドハンティング企業である東京エグゼクティブ・サーチ株式会社。CxOクラスならびに上級~中間管理職レイヤーのサーチを中心にSansan株式会社のEight Career Designを活用しハイクラス人材獲得に数多く成功しています。売り手市場で顕著となっているサーチの課題や、Eight Career Designでの具体的成果、他サーチツールにはないメリットなどを伺いました。

お話を伺った方

Takao Mikamo 美甘 隆雄
東京エグゼクティブ・サーチ株式会社 エグゼクティブコンサルタント
京都大学経済学部を卒業後、東京三菱銀行(現三菱UFJ銀行)に入行。一貫して法人営業に従事し、約600社の経営陣と議論を重ねてきた。取引先のことを多面的に深く理解することに絶えず努め、取引先との信頼関係を構築しつつ提案する営業スタイルを確立。中長期的なリレーションの向上と、短期的な営業成績とを両立させてきた。
元々人事領域に関心があったことに加えて、企業側の優秀な人材獲得ニーズと、候補者側の良いポジションでの就業ニーズを両立させられる点に強い魅力を感じて、東京エグゼクティブ・サーチ株式会社に参画、現在に至る。
老舗ヘッドハンティング企業も直面する「返信率低下」の壁。従来手法を補完する新たな集客軸を模索
──東京エグゼクティブ・サーチの事業内容や強みについて教えてください。
美甘様(以下、美甘):当社は1975年の創業以来、半世紀にわたってサーチビジネスを手掛けてきた本邦最古参のサーチファームで、数多くの採用実績を積み重ねてきました。
特長は、役員などのベリートップ層はもちろん、エンジニアや建築業界の施工管理といった、採用難易度の高い専門職のサーチも幅広く手がけていること。候補者の年齢や職位に関わらず、どのような領域でもトップレベルの人材を探し、クライアント1社1社の採用課題にコミットしています。

──候補者サーチには、どのような手法を用いられていますか。
美甘:大きく分けて3つの手法を、案件の特性に応じて使い分けています。
1つ目は、50年の歴史で培ってきた社内データベースの活用。当社ならではのネットワークやノウハウが凝縮されているため、まずここから目を通すことは多いです。
2つ目は、当社が「ピュアサーチ」と呼んでいる独自手法。Web上の公開情報等のあらゆるソースをもとに、転職市場に現れていない優秀人材を発掘していくものです。
そして3つ目は、一般的なスカウト媒体などを含む転職プラットフォームの活用。3つの手法のなかでは最も母数となる人数が多いため、汎用性の高い職種やスピード感が非常に求められる採用など、案件によっては非常に使いやすい手段となっています。
──従来の手法において、課題感はありましたか。
美甘:ここ1年ほど、どのスカウト媒体を使っても返信率が如実に低下していっていることが課題でした。ヘッドハンティングという仕事は、まず候補者とコンタクトできないことにはプロジェクトが始まりませんから、危機感を覚えていましたね。
大手媒体を超える返信率でアクティブな潜在層へリーチ。相性のいい候補者の“表面化”がカギ
──Eight Career Designを会社として導入することが決まった際、どのような期待を寄せられましたか。
美甘:もともと名刺アプリ「Eight」の存在は知っていましたので、膨大な登録者がいるのではないか、という期待感を抱きましたね。
──活用してみて、成果や使い心地はいかがでしたか。
美甘:当初の期待通り、400万人以上のEightユーザーにアプローチできるボリューム感は圧倒的だと感じましたし、Eightから数多くの成約につながっています。数十万人規模の転職プラットフォームもあるなかで、アクティブユーザーの母数で言えば、大手媒体と肩を並べるレベルなのではないでしょうか。
また、これまでのプラットフォームではアクセスできなかった転職潜在層へリーチできることも魅力です。「他のプラットフォームにまったく登録していない」「ヘッドハンティングを受けたことがない」と話す候補者も複数いました。Eight Career Designはそのようなハイクラス人材と接触できる唯一無二のサーチツールだと思います。

──課題に挙がっていた「返信率」の観点はいかがでしょう。
美甘:転職顕在層の取り合いが過熱する大手媒体の返信率は下降を続ける一方で、Eight Career Designの返信率は年々高まっており、肌感覚としては逆転した印象です。
Eightは名刺アプリだからこそ、仕事用のメールアドレスで登録しているユーザーが多いので、ビジネス上のやりとりとして「返信しなければ」という心理が働くのかもしれません。もちろん転職顕在層ばかりではありませんので、辞退されるケースもありますが、Eightの場合はみなさんお断りのメールも丁寧ですね。
──さまざまな案件でサーチに活用されているかと思いますが、特に相性のいい業種や職種はありますか。
美甘:職種なら名刺をよく使う営業職や、部長、CxO等のハイレイヤー役職、業種なら不動産などが挙げられるでしょう。いずれにしても、データベースに埋もれているこれらの優秀人材をいかに“表面化”させられるかが、ヘッドハンターの腕の見せ所です。
──Eight Career Designでは、どのような機能を駆使して表面化されているのでしょう。
美甘:社名検索や、部署名や資格名でのキーワード検索を活用していますね。特に社名検索は30社まで一括でサーチできて便利です。ここまで同時検索できるツールは珍しいのではないでしょうか。もちろん、名刺データがベースとなっているため情報の正確性も高いです。
「異業種からのマネジメント人材採用」という難題。成約できたのは転職市場にいなかった潜在層の優秀人材
──成約に至った方について教えてください。
美甘:私が担当した案件では主に、年収1,000万円以上のハイクラス層を中心に内定承諾をいただいています。なかでも印象深いのは、特定商材に特化し、当該業界をリードしている大手小売業者からのご依頼です。大人数のスタッフが在籍する大型拠点でのマネージャー職の募集でした。当然ながら、マネジメント能力や売上責任を背負う実力が求められるだけでなく、クライアントからは「異業種における大規模なマネジメントでも実績を上げてきた、高い視座をお持ちの方」という極めて難易度の高いオーダーをいただいていました。
──非常に難しそうですね。どのような方が見つかったのですか。
美甘:高価格帯の大手小売チェーンで最年少店長を務めていた方でした。店舗の業績をV字回復させた実績を持つ優秀な人材です。当時はまったく転職活動をしておらず、その他のプラットフォームにも登録していない潜在層だったため、Eight Career Designでなければ出会えませんでしたね。転職意向が顕在化していない状態から会話を重ね、4ヶ月で内定承諾に至りました。
あまりに異なる業種からのヘッドハンティングに当初は驚かれていましたが、クライアントは業界経験より、売上を作る実力と大人数のマネジメント能力を求めていることを率直に伝え、興味を持っていただけました。

──クライアントの評価はいかがでしたか。
美甘:カジュアル面談の段階から「ぜひ一緒に働きたい」と高評価をいただき、スムーズに内定承諾となりました。幅広い属性のスタッフをまとめ上げる強さと柔らかさのある人間性や、売上責任を背負えるだけの実績と経験が決め手だったようです。
Eight Career Designは「手付かず」のハイクラス人材が眠るブルーオーシャン。サーチツールとしてのさらなる成長に期待
──他のサーチツールにない、Eight Career Designならではのメリットはどこにあると感じますか。
美甘:最大のメリットは、「手付かず」のハイクラス人材が豊富なことでしょう。大手媒体の候補者は、ヘッドハンターに対してネガティブな先入観を持ってしまっているケースもあります。しかし、Eightユーザーの多くはまだヘッドハンターと接触していないまっさらな潜在層が多いため、フラットな状態で対話を始められるのです。Eight Career Designはヘッドハンターの努力次第で、候補者との長期的な信頼関係を築きやすいサーチ手法だと思います。
──最後に、美甘様自身のヘッドハンターとしての展望と、そのなかでのEight Career Designの活用方針について教えてください。
美甘:ヘッドハンティングというビジネスは、企業と候補者の双方が満足する「Win-Win」の関係でなければ決して成立しないもの。どの案件においてもこのスタンスを大切にし、「いいご縁」をひとつでも多く作っていきたいと考えています。
Eight Career Designは今後間違いなく利用頻度が高まっていくツールになるでしょう。ここ1年、プラットフォームとして成長していることを如実に感じましたので、これからより多くの「手付かず」の転職潜在層を掘り起こしていけるのではと期待しています。
※インタビュー内容は、2026年3月11日時点のもの
執筆・撮影:安光あずみ