出張先の近隣顧客を検索し、訪問機会を逃さない。名刺データで深耕営業を加速させた山梨の金属加工会社
株式会社中村製作所
山梨県甲府市に本社を構える金属加工会社。アルミを中心とした金属切削加工を得意とし、半導体製造装置などに使われる精密部品を製造している。顧客のオーダーに合わせ、各種装置用部品を提供している。
- 社名
- 株式会社中村製作所
- 事業内容
- 半導体製造装置、液晶製造装置、医療器具製造装置など、各種製造装置用精密部品の製造
- 設立
- 1945年
- 従業員
- 75名
- 目的
-
・既存顧客との継続的なやり取りが営業の中心となる中で、社内に分散していた顧客接点を共有・活用する
・資材、設計、技術、生産管理など複数部門にまたがる顧客接点を可視化し、継続的な関係構築に活かす
・社外接点を持つメンバーに絞って名刺管理をデジタル化し、顧客との信頼関係をチームで支えられる状態にする
- 課題
-
・既存顧客が売上の多くを占める中、担当者の部署や役職の変更が多く、最新の顧客情報を把握しづらかった
・名刺を各個人がファイル等で管理しており、誰がいつどの会社の誰と接点を持っているかを社内で共有できていなかった
・取引先担当者について確認する際、営業担当者の帰社を待つ必要があり、対応が半日後や翌日になることもあった
- 効果
-
・訪問前にスマートフォンで過去の接触履歴や社内の接点を確認でき、既存顧客との関係維持に必要な準備がしやすくなった
・取引先の担当部署や担当者を確認する業務が、半日後・翌日から10分以内に短縮され、バックオフィスの業務がスムーズになった
・出張先で近隣顧客を検索し、これまで訪問機会を作りにくかった顧客との関係構築や受注機会の創出につながった
<お話を伺った方>
代表取締役社長 中村 健太 様(中央)
営業部長 大﨑 賢哉 様(左)
業務改革推進室長 桑原 正樹 様(右)

既存顧客との継続的な関係を支えるため、名刺情報をチームで活用できる状態へ
私たちは、山梨県甲府市に本社を構える金属切削加工会社です。加工対象としてはアルミを最も得意とする切削技術および溶接技術を駆使し、半導体製造装置に組み込まれる重要部品を製造しています。
当社のものづくりは、大量生産ではなく多品種少量生産が中心です。一つひとつの数量は多くなくても、扱う部品の種類は多く、案件ごとに求められる仕様や技術的な確認も異なります。そのため営業活動も、単に既製品を販売するだけでなく、既存顧客からのリピート受注に対応することも重要になります。新製品や技術的なご相談があった際に、資材担当者や技術者の方と密接に連携し、細かくすり合わせることが多くなります。
特に既存企業が売上の8割強を占めており、その企業の中には資材、設計、技術、生産管理など多くの関係者がいらっしゃいます。大企業のお客様の場合、担当者の部署異動や役職変更も少なくありません。継続的なお取引があるからこそ、「誰が、いつ、どの会社のどなたと接点を持っているのか」を把握しておくことが、営業上とても重要でした。
Eight Teamを導入する前は、名刺を各個人がファイル等で管理していました。部署異動や役職変更があると、どれが最新の連絡先なのか分からなくなることもあります。名刺は顧客情報でもあるため、個人管理はセキュリティの観点を含め課題がありました。
導入のきっかけは、当時の製造部長から「名刺をデータベース化したい」という声が上がったことでした。個人が持つ名刺情報を複数人で共有したいというニーズがあり、当初はExcel入力も検討しましたが、運用面で現実的ではありませんでした。

また、業務改革やDXを進める当社にとって、名刺管理のデジタル化も取り組むべきテーマの一つでした。日々の手間を減らすだけでなく、必要な情報にすぐアクセスできるようにすることで新しい営業機会を生むきっかけになると考えていたからです。
こうした背景から導入にあたって、実際に使う社員が無理なく使い続けられるかどうかを重視しました。当社では全社員が名刺交換を行うわけではないため、社員の中でも社外接点を持つメンバーに絞って利用できる点も重要でした。使い勝手や名刺登録のしやすさ、費用面を総合的に比較し、Eight Teamを導入することにしました。
現在は全社員ではなく、営業、調達購買、バックオフィス、経営者など、社外との接点を持つメンバーを中心にEight Teamを利用しています。名刺を個人のものとして保管するのではなく、会社として活用できる情報に変えていくことが、導入の大きな目的でした。
顧客情報が見えることで業務がスムーズに。訪問前の準備から社内確認まで効率化
Eight Teamを導入したことで、個人ごとに管理されていた名刺情報を社内で共有し、必要なときにすぐ確認できるようになりました。
訪問営業前の準備においては、スマートフォンで「過去の接触履歴」や「社内の誰が接点を持っているか」を確認できるため、効率化が図れています。営業担当が変わった際にも、他の営業メンバーや社長が面識を持っているかも確認できるため、久しぶりの会社を訪問する前の話題づくりにも役立っています。
役職変更や部署異動の通知も、顧客とのコミュニケーションのきっかけになっています。関係性のあるお客様の昇進や異動を知った際には、連絡を入れ、関係維持に活かしています。

特に効果を感じているのが、バックオフィスでの確認業務です。お客様からの調査依頼などで、相手企業のどの部署の誰に相談すればよいかを確認したい場面があります。以前は、営業担当者が外出していると帰社を待ち、対面で事情を説明してから確認する必要がありました。そのため、確認が半日後や翌日になることもありました。
現在は、Eight Teamで社内の誰がその企業や担当者と接点を持っているかを確認できます。そのうえで営業担当者に連絡すれば、場合によっては10分以内に次のステップへ進めることもあります。営業担当者の帰社を待たずに確認できるようになったことで、バックオフィス側の業務が止まりにくくなりました。
社内の接点が見えるようになったことで、営業だけでなく、顧客対応に関わる業務全体が円滑になっています。
出張先で近隣顧客を検索し、新たな訪問先が見つかる。関係構築と受注機会が広がった
Eight Teamの活用で特に営業現場に変化をもたらしているのが、出張計画時の顧客検索です。遠方のお客様を訪問する際、1社だけ訪問して帰るのではなく、同じ地域で立ち寄れるお客様がいないかをEight Teamで確認しています。
訪問先の都道府県や地域で検索すれば、近くに接点のあるお客様を把握できます。実際の出張では、Eight Teamで見つけた候補をもとに2〜3社を回る計画を立てることもあります。紙の名刺や個人の記憶だけでは難しかった、出張先周辺の接点の洗い出しができるようになりました。
この近隣訪問は、営業機会の掘り起こしにもつながっています。久しぶりのお客様を訪問したタイミングで、「ちょうどこんな案件がある」と相談をいただき、実際に受注につながるケースもありました。Eight Teamで近くのお客様を見つけられるからこそ、これまで訪問機会を作りにくかったお客様にも足を運びやすくなりました。
もう一つ、想定以上に役立っているのが、有事の際の取引先確認です。地震などの災害発生時、取引先が被災地域にあるかどうかを都道府県や住所から即座に検索可能です。外出先からでもスマートフォンで確認できるため、初動対応の迅速な判断に役立ちます。

今後は、CSVデータを利用して、エリアごとの顧客接点を可視化することにも挑戦したいと考えています。どの地域に接点が多く、どこに伸びしろがあるのかを可視化できれば、営業戦略や出張計画にも活用できそうです。
名刺管理のデジタル化は、大企業だけのものではありません。社員数が少ない会社でも、人とつながる機会が多いのであれば、名刺情報を会社で活用できる状態にしておく価値があります。「うちは中小企業だから」「この規模では必要ない」と考えてDXを遠ざけるのではなく、人とのつながりをより実りあるものにするために、Eight Teamを活用できると感じています。
※インタビュー内容は、2026年5月時点のもの