会社のブランディングを目的にEight Career Designを導入
<お話を伺った方>
Talent Acquisition Japan
Senior Manager岩﨑由浩様
──ヴイエムウェアの事業内容を教えてください。
岩﨑様(以下、岩﨑):ヴイエムウェアはシリコンバレーに本社を置く、グローバルなソフトウェア企業です。もともとは、ITのインフラ環境をより効率的に活用するための仮想化ソリューションの提供からスタートし、現在はアプリケーションも含めて効率的に使える環境づくりのためのソフトウェアやサービスを提供しています。
組織は年々成長しており、私が入社した2015年は500人にも満たなかった社員数が、現在は約2倍の1000人近くになりました。年間で言えば、毎年100人以上増加しているという状況です。
ヴイエムウェアは、世の中にない製品をつくり続けてきたイノベーティブな会社。そのベースとなる組織カルチャーにおいても、イノベーションが大きなキーワードになっています。人材の資質としても、誰かの指示を待つのではなく自ら考えて自ら主体的に動き、必要であれば職種に関係なく周囲に手を差し伸べられる人を求めています。
──Eight Career Designを導入いただいたのは、リリースしたばかりの頃の2020年でした。当時、どのような背景で導入されたのでしょうか。
岩﨑:特に外資ITの企業の間では、2020年以前からダイレクトソーシングが非常に注目されてきていました。その中で、当社もリクルーティングを強化するにあたり、会社のブランディングをしていかなければならないという思いもありました。
というのも当社は、一般的にサーバー仮想化の会社だというイメージが強く、すでにビジネスとして成熟しているために「新しいことはあまりできないのではないか」という印象を持たれていたのです。しかし、実際にはこれからも新しいことをどんどんやっていこうとしているチャレンジングな会社で、世間一般の認識との乖離を少なからず感じていました。
そこで、ダイレクトソーシングに加えて、メディアでも自社のカルチャーなどの情報が発信できるEight Career Designのサービスに興味を持ったんです。ターゲットという面でも、外資IT企業に勤めている方はSansanの名刺管理ツールを使っているケースが多いという印象があり、候補になり得る方が多いのかなと推測できました。
組織カルチャーを入口に、キャリアの相談に
来る候補者も
──ヴイエムウェアは、定期的にEight Career Designのメディアにも記事を出稿いただいていますが、どのようにコンテンツを活用されているのでしょうか。
岩﨑:このポジションで人を採りたいから出稿するといったピンポイントの使い方というよりも、会社のカルチャーを様々な角度から発信していくための媒体として活用しています。当社はビジネスの展開が早いので、会社の実情を正しく認知してもらうためにも、どんどん情報を出していかなければいけないと思っているんです。
そして、記事を読んで興味を持ってもらった人に、会社をより深く知ってもらうための関連したセミナーへ誘導しています。目先の採用ももちろん行いますが、それと同時に中長期的な目線の施策も両方仕掛けていくことが重要です。メディアを活用して継続的に広く情報を発信していくことで、長期目線でのパイプラインづくりをしていくという考え方ですね。実は今朝も、過去にセミナーを受けた人から「これからのキャリアを考えたいので、時間をいただけませんか」というメールをもらったところなんですよ。
──そういった形で成果が見えてきているのは嬉しいですね。ほかに、Eight Career Designを活用することで得られたと感じる成果はありますか。
岩﨑:記事が更新されたらすぐにLinkedInなどで共有しているのですが、それに対するリアクションがどんどん早くなっているという印象があります。次の記事は何だろうという期待感があるのかな、と。だから、ヴイエムウェアのイメージを変えるというそもそものテーマは、徐々に実現されてきているように感じていますね。
それから先ほどお話ししたような、候補者の方から「興味があるから話を聞きたい」というアプローチをいただくケースも増えてきています。資産として蓄積してきたコンテンツが、成果につながってきていると感じます。
──先日は、クラウドプラットフォーム技術部の古山さんの記事が掲載されましたね(2021年11月掲載)。やはり反響は良かったのでしょうか。
岩﨑:そうですね。社員も読んでくれているようで、「すごく良かった」「良い記事だった」というコメントが多くありました。
記事の掲載に続き、その記事を読んで興味を持ってくれた人に向け、古山本人がキャリアについて語るセミナーを開催する予定です。そこでは今までのように一方通行で話してから質問を受け付けるというのではなく、会話のような形でより深く関わってもらい、興味を持ってもらえたら個人情報を残してもらうという形にしています。そしてポジションが空いたときにその情報を展開することで、一人ひとりにとって良きタイミングでアプローチしてもらえるようになると考えています。
【関連記事】「面白がる」を仕事の指針に。ヴイエムウェアの女性部長が示すエンジニアとして生きるためのキャリア戦略
目下の採用と中長期的なアプローチの両輪で、激化する転職市場を勝ち抜く
──岩﨑さんは、20年近く人事に携わってきたとお聞きしています。直近の採用だけでなく長期目線で採用に取り組まれている背景には、昨今の採用を取り巻く環境の変化などもあるのでしょうか。
岩﨑:そうですね。この20年で、転職する人は間違いなく劇的に増えています。一方では、中途の人材を募集する会社も増え、その獲得競争は激化しています。
だからこそ、他社と同じように求人を出して、ただ募集するだけでは、良い人材は採用できません。システムエンジニアというポジション一つをとっても選択肢はごまんとあるわけなので、採用を成功させるには、会社やカルチャーの見せ方を工夫していくことが必要だと考えています。
また、転職する人自体は増えましたが、その一方で日本の人口は年々減少しています。目の前の採用だけに囚われて、たとえば採用にまで至らなかった候補者を無下に扱うといったことをしてしまうと、その人はもう戻ってこない。目の前のことだけをやっていると会社のブランドを落としてしまう可能性があるので、中長期的な視点でどうアプローチしていくかということも大切だと考えているんです。
──今後、採用を通して目指していきたいことを教えてください。
岩﨑:ヴイエムウェアは自分たちの組織だけで完結せずに、外にも目を向けて横のつながりを大切にする文化があります。このカルチャーは、社員数がどんどん増えていっても変わらずに持ち続けたいもの。だからこそ、同じ目線で働き、同じ価値観を大切にできる方を採用し続けていきたいと考えています。
※インタビュー内容は、2021年12月21日時点のもの
執筆:三ツ井香菜 撮影:吉田和生 編集:山本莉会(プレスラボ)