SAP事業の中核企業として若手人材の採用・育成に注力
<お話を伺った方>
ゼネラルビジネス事業部 統括部長 片田知己様
事業戦略推進部 中山美奈子様
──まずは御社の事業内容をお聞かせください
中山美奈子様(以下、中山):当社はNTTデータが注力する事業のひとつであるSAP事業の中核企業として、2012年7月に設立されました。デジタルトランスフォーメーション(DX)を成功させるためのIT戦略の考案、要件定義、構築、運用までをワンストップで支援しています。サービスの提供先は製造業を中心に、商社や流通業などが比較的多く、国内だけでなく海外のグループ企業とも連携しており、SAPソリューションに関する体制をグローバルに整えています。
SAPビジネスへの貢献度や顧客満足度などにおいて極めて高く評価されたパートナー企業に授与される「SAP AWARD OF EXCELLENCE」を2013年から8年連続で受賞するなど、外部からも高い評価を得ています。
──社内には新規導入を担う部門として第一・第二・第三製造事業部と、ゼネラルビジネス事業部があります。それぞれの特徴は?
中山:第一・第二・第三製造事業部は、各事業部で1〜4社程度を担当しています。担当する期間は2〜6年ほどと長く、人材の平均年齢が比較的高めのベテラン層が多いのが特徴です。
一方、現在80名ほどが在籍するゼネラルビジネス事業部は、平均年齢が当社で一番低い事業部です。
中規模な案件を対象にすることが多く、ほとんどが約1年、海外拠点への導入を合わせても2年強で終わるプロジェクトです。さまざまな企業の案件に携わることができ、若手でも活躍しやすい事業部です。ここで経験を積み、さらに大きなプロジェクトを担当する第一・第二・第三製造事業部へと異動するケースもあります。今回採用した方は、このゼネラルビジネス事業部の西日本拠点におけるSAP人材でした。
スカウトの幅を広げ、導入から4カ月のスピード採用を実現
──Eight Career Design導入の背景をお聞かせください
中山:希少価値が高いSAP人材、特に優秀な人材となると、獲得は簡単ではありません。これまでも他社のダイレクトリクルーティングサービスを活用したことがありましたが、大きくふたつの課題を感じていました。
ひとつ目はエージェントとのバッティング。例えば、3カ月前に見送りになった方や、数日前に別のエージェントから推薦があった方から、ダイレクトリクルーティングサービスを通じて応募がくることも。結局ダイレクトリクルーティングでは進めることができず、候補者が混乱してしまうこともあり、バッティングしない新しいデータベースの必要性を感じていました。
ふたつ目はコスト面での課題。近年、IT人材獲得にかかる費用が上がり続けており、コスト面でも手軽に利用できるサービスを探していました。
上記の課題を感じているときに、すでに当社でSansanを導入していたこともあり、担当者からEight Career Designのご紹介をいただいて導入に至りました。
──導入後、採用までの流れについて教えてください
中山:まずはSAP事業の会社で働く方を中心にスカウトメールを配信していましたが、希少なSAP人材の採用は思うように進みませんでした。導入から1〜2カ月経ったころ、社内で「SAP人材でなくてもインフラ経験がある人だったら採用したい」というニーズが上がってきたので、スカウトしたい人材の幅をインフラ経験者まで広げました。
片田知己様(以下、片田):大前提として、募集をかけても応募が少なく、SAP経験者と絞ってしまうと限界があるという状況がありました。ITの素養がある方へ採用をシフトさせていくことも必要だと判断し、該当する若手人材がいれば積極的に紹介してほしいと伝えていました。
中山:スカウトの幅を広げて、反応があった方には電話で経歴や今後のキャリアをヒアリングしながら同時進行で書類選考を進め、希望に合った部署の面接官に繋ぎました。結果的には3名の方とカジュアル面談を実施し、現時点で1名の入社が決まっています。導入から4カ月で採用でき、他社サービス利用時と比較しても随分と早いペースで採用できたと感じています。
──反応があった候補者に電話でヒアリングを行う際、気をつけていたことやポイントはありますか?
中山:選考を担当する事業部の面接官には、キャリアの要望をしっかり伺いつつ、「今回の採用活動はエージェント経由ではないので、候補者の方にできるだけ詳細な情報を伝えてほしい」とお願いしました。カジュアル面談と一次選考を同時に行うイメージですね。
──実際に候補者の方に情報を伝える際、意識した点や工夫された点は?
片田:まず、弊社の事業内容をきちんとお伝えした上で、我々ゼネラルビジネス事業部の中でも特に西日本側ではどんなことをしているのか明確に伝えることを心がけました。今回採用に至った方はインフラ系での経験はあったものの、SAP製品の経験がないことを不安に感じているようでした。そのため、既にインフラ経験だけで入社している社員を交えて面談を実施するなど、不安要素を取り除いていけるような工夫もしました。
──Eight Career Designを導入して良かった点をお聞かせください
中山:スムーズに選考を進めることができ、かつ弊社に合った人材を低コストで採用できた点、スカウト代行企業によるサポートがあった点です。多くの施策を実行する中での運用に不安もありましたが、負荷が少なく進められたので満足しています。
独自の社内プログラム「GSL大学」で人材育成にも注力
──今後も積極的に採用を行っていくということですが、採用活動を通して目指すことをお聞かせください
片田:ゼネラルビジネス事業部の西日本オフィスは、今回採用できた方を含めて11名になりました。まずはこの先3年を目処に、倍の人数規模にしていく必要があると考えており、若手のメンバーを育成しながら積極的に採用していきたいと考えています。
社員育成に注力しているNTTデータ グローバルソリューションズ、採用において「成長意欲の高さ」を大事な観点にしている。
中山:弊社には社員育成制度のひとつとして「GSL大学」があります。現在、5つの研究室で構成され、高い専門性や経験を持つ社員が教授となって業務遂行能力や専門知識などを育むというもの。プロジェクトの成功例や研究内容の発表を行う機会を設ける公開講座など、社員の成長機会が整っています。若手が成長、活躍できる環境と共に学ぶ機会も整っているため、成長意欲の高い方を積極的に採用していきたいです。
※インタビュー内容は、2021年4月26日時点のもの
執筆:清永優花子 撮影:安井信一 編集:山本莉会(プレスラボ)