freee株式会社

競争が激化するエンジニア採用で、転職潜在層からの発掘に成功

精緻な名刺データから「会社名」で候補者を検索。カルチャー面で親和性の高い企業のユーザーにアプローチを行い短期でエンジニアの採用に成功。Eight Career Designを利用し転職潜在層へのアプローチ方法を学びました。

freee株式会社
目的
  • 開発組織の拡大に伴うエンジニア採用
課題
  • 数年間、他社のダイレクトリクルーティングサービスでの採用を行い、データベースが枯渇
  • 転職顕在層だけでなく、潜在層へのアプローチが必須に
効果
  • 名古屋を拠点とする中部支社でエンジニア1名の採用が決定
  • 潜在層へのアプローチの方法を学べた

2020年10月にサービスを導入されたfreee株式会社は、エンジニア採用と地方拠点の拡大に力を入れており、2021年2月に名古屋を拠点とする中部支社でのエンジニア採用に成功しました。実際に導入して感じたことや、競争の激しいエンジニア採用で成約に至った理由などについて、freee株式会社の人事採用本部のエンジニア採用責任者である石井里佳様、中部支社のエンジニア組織立ち上げのため中部に移住された山崎遼介様にお話を伺いました。

開発組織拡大のため、コロナ禍でもエンジニアを積極採用

<お話を伺った方>
人事採用本部 エンジニア採用責任者 石井里佳様

中部支社開発責任者 山崎遼介様

──freeeの事業内容をお聞かせください

石井里佳(以下、石井):「スモールビジネスを、世界の主役に」というミッションのもと、「クラウド会計ソフトfreee」をはじめ、中小企業のバックオフィス業務をサポートするクラウドERP(Enterprise Resource Planning=企業資源計画)サービスなどを提供しています。

一般的にfreeeは会計ソフトの会社というイメージが強いかと思いますが、freee設立の背景には、会計のみならず中小企業のバックオフィス業務全般を自動化し、経営者が経営に専念できる環境をつくりたいという思いがありました。今もその思いは変わらず、将来的には中小企業のプラットフォームになることを目指しています。昨年は、福利厚生の分野までサービスの裾野を広げるなど、目指す未来の実現に大きく一歩近づきました。

人事採用本部エンジニア採用責任者 石井里佳様

──freeeは中部支社や関西支社など、地方にも拠点を広げていますが、その背景をお聞かせください

山崎遼介(以下、山崎):freeeが目指すプラットフォーム構想を実現するには、開発組織の拡大が引き続きミッションになります。そこで、中部や関西に拠点を持ち、新たな採用の基盤を手に入れ、採用市場を拡大したいと考えました。地方のエンジニアとはリモートでつながればいいのではといった声もありますが、freeeが業務内容や給与面で魅力的な仕事を中部や関西に持ち込むことで、その土地のIT人材市場自体も盛り上げていければと考えています。 中部支社は昨年7月に2名でスタートしたばかりですが、2年前に大阪に開設した関西支社では採用も進み、すでに10名規模になっています。中部支社と関西支社は、今後も人員を増やして拡大していく予定です。

それと、従業員の選択肢を広げていくことも、地方拠点展開を行うもう一つの理由です。僕の場合は、妻が中部出身だったので、子育てのためにこちらに引っ越してきました。ライフイベントに沿った選択肢を会社で用意することで、従業員の満足度の向上も図っていきたいと考えています。

──地方にはどのようなエンジニアの方がいらっしゃるのでしょうか

山崎:優秀な方がたくさんいますね。たとえば名古屋には、ウェブ系のエンジニアがあまり多くない代わりに、地方特有のメーカー系で鍛えられたエンジニアがたくさんいるんです。彼らと話してみると、高いスキルセットを持っているなと感じます。

転職潜在層のデータベースを求めて、「Eight Career Design」を導入

──「Eight Career Design」を導入いただいた背景をお聞かせください

石井:大前提として、freeeはエンジニア採用にかなり力を入れています。コロナ禍であってもエンジニアに関しては採用数とスピードを落とさず、事業計画に基づいて、当社に来ていただきたい人材をしっかりと取りに行く姿勢です。

そのなかで、freeeはこれまでも多くのダイレクトリクルーティングサービスを活用し、採用してきました。しかしながら、求職者のデータベースには限りがあるため、だんだんと新たにアプローチできるエンジニアの数がどうしても減ってきている現状がありました。

山崎:freeeの採用方針は創業時から変わらず、「自分よりも優秀な人や、その人の入社によってfreeeが変わるだろうと思われる人にオファーを出す」こと。それに加えて、中途採用では第二新卒や未経験の採用をまだ実施していません。採用のハードルは上がり続けていく一方で、組織拡大に合わせて数を確保していかなければいけない悩ましい状況でした。

石井:そこで、転職顕在層だけでなく潜在層まで目を向けていかなければならないと考えていたところ、「Eight Career Design」を利用されている他社の人事の方からご紹介いただいたんです。

──実際に導入されてから、半年も経たないうちに中部支社でエンジニアの採用が決まりました。採用活動を行うにあたって、工夫したことは何ですか

石井:まず当社の場合は、現場のエンジニアが採用にとても協力的で助けられています。エンジニアではない人事の私からすると、ターゲットの選定を行うときにプログラミング言語や経験などが自社にマッチするのか分からないシーンが本当に多いんです。でも山崎は、連絡すると基本10分以内にアドバイスを返信してくれます。

またfreeeのエンジニア採用では、人事が面談をすることはあっても面接や選考に入ることはなく、面接や選考はすべて現場のエンジニアが行います。こういったエンジニアの協力体制が、採用の強さにもつながっていると思います。

山崎:僕は中部を盛り上げたい仲間とともに「みそかつウェブ」というコミュニティーを主催しています。中部支社として、隔月の頻度で登壇し、freeeの知名度を上げるよう努力しています。また、中部支社の職場の様子を開発者ブログにアップし、普段から情報に触れられるようにすることも意識しています。そのため、スカウトに反応があった人とカジュアル面談を行った際にも、freeeを知らない方はほとんどいませんでした。

freee株式会社 中部支社開発責任者 山崎遼介様
中部支社開発責任者 山崎遼介様

石井:カジュアル面談では、カルチャー面でのミスマッチを防ぐために何名かのエンジニアと会って話をしてもらい、齟齬がないかを徹底して確認しています。freeeはカルチャーの浸透に力を注いでいるので、その際にエンジニア一人ひとりが会社のミッションやカルチャーに基づいた自分のエピソードを語れるところも強みだと考えています。

山崎:今回「Eight Career Design」を通じて採用に至った方も、僕が登壇したイベントをきっかけにすでに交流があり、「Eight」を使われていたため、お声がけさせていただいたんです。あらかじめfreeeのカルチャーを少しでも知ってもらえていたので、よりマッチしやすいところもあったのかなと思います。

試行錯誤しながら、潜在層へのアプローチで大事なことが学べた

──イベントへの登壇などで会社のカルチャーや業務について広く知ってもらってからスカウトを送り、面談につながったのは、まさに理想的な流れですね。「Eight Career Design」では転職潜在層へのアプローチが中心になりますが、スカウトに興味を持ってもらうために心がけたことはありますか

石井:企業の印象を下げないよう、失礼のないメッセージを送ることをかなり意識しました。また、メッセージの送付先についても、やみくもに送るのではなく、freeeからスカウトが来ている理由を分かってもらえるような技術スタックの方に送ることを心がけました。

山崎:「Eight Career Design」の情報源はおもに名刺なので、経歴が情報にない場合もあるのですが、その代わりに必ずあるのが会社名です。そこで、カルチャーがマッチする会社であれば親和性が高いだろうと考え、企業研究に力を注ぎました。その企業の採用情報を見るなどして、地道に積み重ねていきました。

石井:最初の3カ月は手探りの苦しい戦いでしたが、とにかくやり切ろうと踏ん張ったのが、結果につながった一つの要因だと思います。今後はどの企業も潜在層へのアプローチは避けられない道かなと思うので、そのために大事なことを「Eight Career Design」で培えたのは大きいですね。

山崎:採用におけるミッションは中部支社を拡大することなので、僕個人としては中部にも面白い仕事があると証明し続けていければと思っています。そもそも、人もお金も潤沢な東京ではなく、SaaSのようなビジネスがあまり浸透していない地方で、日本中に波及していくような開発チームをつくるのはとても面白いチャレンジ。なので、そういったことを地方に住む方々と一緒にやっていければと思っています。

freee株式会社 導入事例
SaaSがあまり浸透していない地方で、日本中に波及していくような開発チームをつくることはとても面白いチャレンジ、と語る山崎氏

※インタビュー内容は、2021年3月1日時点のもの

執筆:三ツ井香菜 撮影:安井信一 編集:山本莉会(プレスラボ)

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