キャリア採用に初めてダイレクトリクルーティングを導入
<お話を伺った方>
人事・総務統括部 グローバル人事企画部 採用担当 グループ長 沖 義明様
人事・総務統括部 グローバル人事企画部 採用担当 上村 麻奈様
──キヤノンメディカルシステムズの事業内容を教えてください。
沖様(以下、沖):当社は医療機器メーカーとして、CT、MRI、超音波診断装置、X線のレントゲン装置などの画像診断装置を主に製造販売しています。本社を栃木県に置き、日本国内はもとより、世界150以上の国と地域で製品・サービスを展開するグローバル企業です。
従業員数は連結で約11,000人おり、国内においては、カスタマーエンジニアが常駐するサービスセンターを全国に60か所以上展開しています。
──現状の採用課題や採用目標をお聞かせください。
沖:慢性的な人手不足により、各部門の潜在的な採用意欲が非常に高い状況です。背景には、働き方改革の一環として残業を抑制していく動きがあり、一人ひとりの業務負担を軽くするためにも社員を増やす必要が生まれていることや、転職による退職者が増加傾向にあることなどが挙げられます。
他にも、以前採用を抑制していた影響で、中堅層や管理職候補の層が少ないといった課題もあり、このあたりもキャリアで採用したいと思っています。限られた採用枠の中ではありますが、採用目標人数は概ね充足できています。
──これまで、どのような採用手法を用いてきましたか。
沖:メインは人材紹介です。ダイレクトリクルーティングは、キャリアにおいてはEight Career Designが初めてで、ほぼノウハウがない状態からのスタートでした。
他社に先駆けて、即戦力にアプローチできる
──Eight Career Designの導入に至った背景を教えてください。
上村:医療機器を病院に設置した後の定期メンテナンスや修理対応を行っているカスタマーエンジニアの採用にEight Career Designを活用したのですが、そもそもカスタマーエンジニアのキャリア採用実績はあまりなく、勤務地も地方になるため、転職後の定着も見通して、より条件に合う方を見つけたいと考えていました。
その際に、社内で「潜在層に直接アプローチできるツールがある」と、Eight Career Designの情報共有がありました。いわゆる競合に当たる会社で同じような仕事をしている方、つまり即戦力の方に、「他社に先駆けてアプローチできるところがいいのではないか」と聞いて、早速導入してみることにしました。
──先ほど、採用目標に対して採用数は充足しているとのお話もありましたが、それでも潜在層へのアプローチに魅力を感じたのはなぜですか。
上村:医療機器に携わっていて、さらにその中で転職活動をしている人はそこまで多くないので、人材紹介で出会える方にも限りがあるんです。しかし、ダイレクトリクルーティングで、かつ潜在層をターゲットにできれば、まさにカスタマーエンジニアとして画像診断装置を扱っているといった方にピンポイントでアプローチできるのではと感じました。
カジュアル面談で転職意向が高まり、約2カ月で内定承諾へ
──実際にEight Career Designを使用してみて、いかがでしたか。
上村:スカウトサービスを初めて利用したのですが、使うまでは、求人票や企業ページ、メールのテンプレートなどの準備が大変なのではないか、候補者からの返信に個別に対応するのが手間なのではないかと、オペレーション面での大変さを心配していました。でも、Eight Career Designには豊富なノウハウがあり、テンプレートやアドバイスをもらったので、そうした煩雑さや手間は特に感じませんでした。
スカウトを送る候補者を検索する際に、社名をはじめ、さまざまな条件を設定できる点も良かったですね。カスタマーエンジニアは特定のエリアを担当することが多く、新しく出会った人と名刺を交換する機会が少ないので、同業他社の社名と職種で候補者を検索しましたね。
会社によって職種の名称は異なるので、カスタマーエンジニアの他にもフィールドサービスなど、いろいろとキーワードを変えながら探していきました。そこから、徐々に検索条件を広げて、スカウトの送付先を増やしていきました。
──初めてスカウトメールを送ってみて、反響などはいかがでしたか。
上村:送付した通数は50通とそこまで多くはありませんでしたが、複数人の方から「情報収集目的でよければ話を聞きたいです」という返信があり、カジュアル面談で30分から1時間ほどお話しました。転職潜在層の方にメールをお送りするので、そうした反応は想定内でしたし、まずはお互いの情報交換を、そしてその中であわよくば振り向いてもらいたいと考えてやっていました。
最終的には1名の採用に至りましたが、その方も実は「今は転職を考えていない」という潜在層で、最初は情報交換ということで、カジュアル面談を行ったんです。
──その方は、どのような理由で面接に進んだのでしょうか。
沖:カジュアル面談には募集部門の者にも参加してもらったので、一緒に働く人の雰囲気や社風も感じていただき、その中で合うと感じるものがあって転職意向が上がったのではないでしょうか。その方はこれまで一度も転職経験がなかったのですが、応募する前にどのような会社か知っていただけたことで、応募ハードルが下がった面もあったのだと思います。
また、現場でよく当社の製品を見かけていたようで、シェアの高さにも興味を持っていただけたようです。
2023年の2月下旬にカジュアル面談をして、3月頭には「選考に進みたい」とご連絡をいただき、そこから選考もスムーズに進んで、4月下旬に内定承諾をいただきました。当社としても、その方は経験や人柄など申し分なかったので、カジュアル面談の段階からうちに来てほしいと思っていました。
他社サービスでは出会えない方を採用できた
──今回の採用を振り返って、Eight Career Designを利用するメリットをどのように感じられましたか。
上村:最大のメリットは、特定の会社や職種の方に能動的にアプローチできることです。また、潜在層にアプローチできるので、普通の転職サービスや人材紹介では出会えないような人材との接点が持てることも、Eight Career Designならではのメリットだと感じました。今回採用できた方も、まさにEight Career Designを使っていなければ出会えなかった方でしたし、その方も転職しようとは思わなかったと思います。
あと、CMをよく見るような有名サービスでは当社のスカウトメールは埋もれるだろうと考えていましたが、導入前に話を伺った時点では、Eight Career Designの導入企業にまだ医療関係の企業はいないとEight担当者から聞いたので、スカウトが埋もれる心配がなかったことも良かったですね。
──今後の採用活動の展望を教えてください。
沖:当社特有の事情として本社が栃木にあるので、キャリアの場合は特に、単身赴任や引っ越しを伴う転職に家族の了解が得られないケースがあります。そこで、求める人材を獲得するためにも、今後はさまざまな採用手法を駆使していく必要があるのかなと思っています。具体的には、これまで通り人材紹介をメインに使いながらも、リファラルやアルムナイなどの新しい手法を視野に入れていきたいと考えています。
※インタビュー内容は、2023年9月13日時点のもの
執筆:三ツ井香菜 撮影:安井信介 編集:南野 義哉(プレスラボ)