「創造 貢献」の経営理念のもと、新しい事業を創出する
<お話を伺った方>
人事部 制度改革担当部長 桐山英之様
羽村技術センター 人事部 技術人事グループ 金杉もなみ様
八王子技術センター 開発本部 事業イノベーションセンター インキュベーション部 部長 東別府聡様
八王子技術センター 開発本部 事業イノベーションセンター インキュベーション部 グループマネージャー 亀田晋一様
──カシオの事業内容を聞かせてください。
東別府様(以下、東別府):カシオは「創造 貢献」という経営理念のもと、長年にわたってユニークな製品を生み出し新たな市場を開拓することで成長し、社会貢献を実現してきました。
事業分野は、グローバルで展開している時計事業をはじめ、一般電卓・関数電卓や電子辞書、教育WebサービスなどのEdtech(教育)事業、楽器などのサウンド事業、レジやハンディターミナルなどのシステム事業などがあります。
亀田様(以下、亀田):加えて、新しい領域での事業創出にも力を入れています。
東別府:2023年4月には、この八王子技術センターに新規事業創出を担う事業イノベーションセンター インキュベーション部が設立されました。私はその部門長として、分野に関係なく新規事業をゼロイチで立ち上げる仕事を任されています。私たちのミッションは、カシオの次世代の柱となる事業を立ち上げることです。私たちの力で世界を変えるような新しい商品・事業を生み出していきたいと考えています。
──カシオのキャリア採用戦略について教えてください。
桐山様(以下、桐山):長年、カシオは新卒採用をメインにしていたんです。キャリア採用には7~8年前から力を入れ始めましたね。現在は、各部署からこういう人材を求めているという声を受けて、キャリア採用を積極的に行っています。採用手法はずっと変わらず、人材紹介会社に依頼して、紹介してもらっています。
人材紹介会社とは異なる層にアプローチできるのではと、導入を決断
──これまで人材紹介会社を利用してきたとのことですが、今回Eight Career Designの導入に至った経緯を教えてください。
桐山:インキュベーション部の設立にあたって新規事業の立ち上げができる人を探していました。しかし、実際にどういうスキルや経歴を持つ人と言うべきかがよく分からず、人材紹介会社に探してもらってはいたものの、紹介してもらえそうな人がいませんでした。
会社の将来を担う大事な部署で、このまま誰も見つからないのはまずいかもしれないと焦っていたところ、たまたま参加していた人事関係のイベントでEight Career Designを知りました。それで、転職潜在層にアプローチする手法が面白そうだなと思い、詳しい話を聞いてみることにしたんです。
導入の決定打になったのは、やはり潜在層へのアプローチができること。人材紹介会社は転職したい人が登録し、その中から条件に合う人を探します。
しかし、そこは既にさまざまな会社が採用の目を光らせていますし、転職希望者はいくつもある求人を比べて興味のあるところを受けます。潜在層へのアプローチは、それとは異なる手法として新たな可能性があるのではないかと思いました。
また、カシオは電卓や電子辞書の印象があるのか、少し堅いメーカーというイメージを持たれることがあります。
でも実際は、柔軟な思考を持ち、新しい商品を生み出したい人が集まっているので、Eight Career Designで新しい層にアクセスできれば、既存イメージによって避けられてしまう前に、それをうまく伝えられるのではと考えていました。
予想を上回る反応があり、2カ月で2名の採用に成功
──実際にEight Career Designを使ってみて、どうでしたか?
東別府:今回はインキュベーション部の採用にのみ活用したのですが、100通のスカウトメールを送ってみたところ予想をはるかに上回る反応があり、カジュアル面談のスケジュール調整に追われるほどでした。そして、それまですごく苦労していたのが嘘のように、2カ月であっという間に2名の採用が決まったんです。
スカウトメールの送付先は、名刺情報から「企画」のつく部署名を探し、その中でも新規事業の企画に携わっていそうな人や、新しいことにチャレンジするモチベーションがありそうな人を推測して選定していきました。経歴情報が掲載されている場合はもちろん経歴も参考にしましたが、正直なところ、勘を働かせた部分も多くあります。
亀田:結果的には、Eightから初めてスカウトメールが来たこと、それが名前の知っている会社(カシオ)であったことの2つが相乗効果となって興味を持ってくれた方が多かったようです。
東別府:その後、カジュアル面談を通じて感じたのは、Eightのユーザーは皆さん前向きでコミュニケーション力が非常に高いということ。前向きな話が多くできました。まさに求めている人物像とマッチしていると感じました。
──カジュアル面談の手ごたえはどうでしたか。
東別府:普段通り楽しく話しました。その結果として「カシオにはこんなに明るい人たちが働いているんだとイメージが変わりました」というコメントを多くもらいました。私達は気づいていなかったのですが、先入観としてカシオは堅いイメージを持たれていた方が多かったので、そういったものを払拭できるような姿を見せられたことも良かったと感じています。
また、その中で打ち解けて本音を話せて、そこでお互いの人となりを知ることもできました。最初は転職の希望はないとおっしゃっていた方が、面白そうだから挑戦してみようかなと言ってもらえることもありましたね。
募集したポジションにもマッチしていたのだと感じます。通常の採用活動であれば案内しきれない魅力を伝えることができましたし、新規事業に携わる人にはいろいろなスキルが必要になるので当てはまる条件も広く、そこから大きく外れるような方もいませんでしたから。
金杉:カジュアル面談のクロージングのみ人事が顔を出して選考に進むかどうかを聞いていたのですが、毎回本当に盛り上がっていましたよね。その流れのまま、相手の方も率直な感想を話してもらえましたし、カジュアル面談での空気づくりはとても大事なのだと思いました。
最も大きな成功要因は、求人内容とユーザー特性の親和性の高さ
──今回は2カ月で2名の採用となりましたが、それぞれどのような方でしたか。
東別府:1人目の方は、そもそも転職を考えていない方でした。でも、カジュアル面談を通して、本当に自分のやりたいことを振り返り、今回は全くのゼロから自由に新規事業を立ち上げていくことができることに興味を持ってもらいました。2人目の方は、転職活動に少し着手している状態でしたね。カジュアル面談を通して「2人と一緒に仕事をしたい」と言って、選考に進んでくれました。
年齢は20代後半と40代で幅広いのですが、お2人とも新規事業の立ち上げやチャレンジに高いモチベーションを持った方でしたね。特に若い方でいろいろなことにチャレンジしようと活動されている方はそんなに多くないと思いますし、他社の採用ツールでは出会えないと思うので、Eightならではの人材が獲得できたのではと思っています。
──改めて振り返ってみて、今回の採用の成功要因は何だと思われますか。
桐山:最も大きな要因はやはり、求人の内容と、自律性や自発性が高いEightのユーザーの相性が良かったことだと思います。また、カシオの持つ少し堅い企業イメージも、カジュアル面談で直接社員と話すことによってそうではないと気づいてもらえたので、私たちにとって良い出会いの場を提供してくれるツールだったのだと考えています。
──キャリア採用について、今後の展望をお聞かせください。
桐山:今回の採用成功事例を他部門にも共有し、Eight Career Designを使ってみたい部門があれば、また活用したいと思っています。
東別府:インキュベーション部でも、また求人募集の機会があればぜひ利用したいですね。Eightにはコミュニケーションのとれる人材や、成長に貪欲な良い人材が多いように感じますし、何より他社の採用サービスには情報の載っていない方がたくさんいます。本当に宝が埋まっていそうな感じがするんですよね。
※インタビュー内容は、2023年5月15日時点のもの
執筆:三ツ井香菜 撮影:中澤真央 編集:南野義哉(プレスラボ)