創業52年。一貫して、消費者のお困りごとに役立つ事業を展開
<お話を伺った方>
執行役員 情報システム部 部長 大嶋 裕章様
──ナックの事業内容を教えてください。
大嶋様(以下、大嶋):当社は1971年に設立し、2023年で53期目となります。最初はダスキンの加盟店としてスタートし、宅配水のクリクラ事業、建築コンサルティング事業と、事業の幅を広げてきました。それ以外にも、グループ全体で10社ほど子会社を有し、通販化粧品や注文・分譲住宅、ビル清掃など、さまざまな事業を展開しています。
そもそもの始まりであるダスキン事業のビジネスモデルは、お客様のもとに営業担当が定期訪問し、清掃用品をレンタルするというものでした。対面でお客様のご要望を承ってきたこともあり、一貫して消費者の方々のお困りごとに役立つというコンセプトで事業を運営していることが、当社の特徴です。
──その中で、情報システム部門はどのような役割を担っているのでしょうか。
大嶋:関連会社も含め、ナックグループ全体の情報システムを統括しています。ITのインフラはもちろん、社内外に提供するアプリケーション、顧客データなどのデータ分析、デジタルを活用したイノベーションなど、システムやデジタルに関する領域を全て手掛けています。
──情報システム部門が抱えている採用課題はどのようなものですか。
大嶋:近年は世の中の変化が激しく、ITに関する技術も急速に進化しています。その中で事業をさらに伸長していくためには、その変化のスピードに対応していくことが必要不可欠です。
ただ、事業を支えるさまざまな仕組みの構築を他社にお願いしていると、その速さについていくことができないため、3年ほど前からアプリケーションの内製化を進めています。
そこで、採用においては、もともと内製していたインフラに携わるエンジニアに加え、アプリケーションの開発や管理に携わるエンジニアを求めています。Eight Career Designを導入した2022年の時点では、インフラ担当を2人、アプリ担当を2人ほど採用したいと考えていました。
効率的な採用活動ができるのではと、導入を決断
──Eight Career Designの導入に至った経緯を教えてください。
大嶋:最初は、メールマガジンでEight Career Designを見かけて、少し話を聞いてみようと問い合わせたことがきっかけでした。
当時は、別のダイレクトリクルーティングサービスを利用してスカウトを行っていたのですが、時期によって求職者の数に波が生じていました。
例えば、夏や冬の賞与が出た後は、転職を考える人が多いので求職者が増えることが多いです。逆に全く応募がない月もあり、それを課題に感じていました。また、スカウトから面接に進んでもらい、良い結果を伝えても、最終的には他社の選考に進んでしまうこともありました。
そんな中でEight Career Designの内容を担当者から詳しく聞いたところ、転職活動を始める前の段階からスカウトのアクションを起こせることを知りました。これなら競合他社より早く、求職者数の波に左右されることもなく、効率的な採用活動ができるのではないかと考えました。
もう一つ決め手となったのは、誰にスカウトを送るのかを選定してメールを打つという一連の作業をアウトソーシングできること。情報システム部門の採用は基本的に私が一人で担当しており、いつも大変な思いをしているので、その負担を減らせることも良いと思いました。他社サービスと比べて紹介料が安く、かかるコストが低いことも魅力でしたね。
──Eight Career Designでは、どのような条件でスカウトメールを送り、どのような成果が得られましたか。
大嶋:20~30代の若手を中心に、インフラまたはアプリに携わったエンジニアの経験を持っていそうな人に送りました。半年間で800通を送り、15名から返信いただいて、そのうち4名がカジュアル面談に進み、最終的に1名の入社が決まりました。
カジュアル面談に進んでいただいたのは、転職はあまり考えていなかったけれど、スカウトをきっかけに興味を持って、話を聞いてみたい、今よりも良い条件だったら転職を考えてもいいと思った方が多いようでした。
そこで、まずは我々の仕事内容や現状の課題、これからの展望などをお話した上で、相手の方のキャリアや希望を伺い、うまくマッチングできそうであれば、次のステップに進んでもらえるように話を進めていきました。
──半年間にわたってEight Career Designを活用してみて、いかがでしたか。
大嶋:転職をそこまで考えていない方であっても、カジュアル面談の中でマッチングしそうだと思えれば、話の進め方によっては、自分のキャリアをもう少し考えてみてもいいかなと思ってもらえることが分かりました。その時点で、競合他社をあまり見ていないところも、話を先に進めやすいポイントなのかもしれません。
一方で、名刺アプリに付随するサービスであるため、スカウトメールを送る人の選定は主に名刺情報をもとに行うことになります。それゆえに、会社名や部署名、推定年齢などの情報からその方の属性やキャリアを予想して、判断しなければならない大変さもありました。そのため、もう少しその方の属性やキャリア、年齢などが正確に分かればいいなという思いもありますね。
最初のカジュアル面談でお互いにマッチングし、選考へ
──今回採用に至った方は、どのような方ですか。
大嶋:システムの開発や運用、ソリューションの導入サポートなど、ITにまつわるサービスを幅広く提供している企業で、主任を務めていた30代後半の方です。当社では、アプリエンジニアとして、メンバークラスでの採用となりました。
スカウトメールを送付した当初は、転職を積極的に考えていたわけではなく、少し興味を持ったから話を聞いてみようかなと思ってもらえたようです。
メールを送付した際は会社名と部署名の情報のみでしたが、カジュアル面談で経歴を伺い、それなら当社のこういうところで力を発揮してもらえるのではないかとお伝えして、その場でぜひ採用のステップに進んでくださいとオファーをしました。
──転職を積極的に考えていたわけではない状態から、実際の選考に進むまでには、どのようなステップがありましたか。
大嶋:一番は、最初のカジュアル面談で1時間ほどかけてじっくりとお話させていただいたことで、前向きに考えてみようと思ってもらえたのではないかと感じています。お互いに興味を持てば、細かな質問をしたくなって話が弾み、面談の雰囲気も良くなりますし。
カジュアル面談には、アプリケーションのチームリーダーにも同席してもらいました。彼も中途採用なので、チームの雰囲気や実際の仕事の進め方に加えて、自分の入社理由や入社後に活躍している様子も交えて話してもらうことができ、イメージがつきやすかったのかもしれません。
最初のカジュアル面談のあとは、先方の希望で、人事制度について詳しく話す面談を一度行いました。そして選考に進むことを決断していただきましたね。
内定の承諾までには4カ月と通常よりも少々長くかかりました。気持ちを転職に切り替えてもらったり、勤めている会社に退職を伝えたりすることが必要になるので、プラス1~2カ月はかかるのだと思います。
──改めて一連の採用を振り返って、採用に成功した要因は何だと思われますか。
大嶋:やはり潜在層にリーチできることと、採用候補者に当社の魅力を十分に説明でき、そこに興味を持ってもらえたことです。今回採用に至った方は、それがうまくはまったのではないでしょうか。
──今後の採用の展望を教えてください。
大嶋:現在は採用サービスを何も利用していないのですが、さまざまなサービスを比較しながら、より効率的な採用ができる方法を模索したいと思っています。Eight Career Designも、機能の向上や登録者層の変化に応じて、また活用したいです。
※インタビュー内容は、2023年3月15日時点のもの
執筆:三ツ井香菜 撮影:中澤真央 編集:南野 義哉(プレスラボ)