中小企業に特化して50年。何でも相談できる存在に
<お話を伺った方>
人事課 係長 平野麻衣子様
──はじめに、大同生命保険の事業内容と特徴を教えてください。
平野様(以下、平野):当社は、中小企業マーケットに特化した生命保険会社です。2022年で創業120周年を迎えましたが、50年以上前から中小企業を対象としたビジネス戦略をスタートし、「中小企業といえば大同さんだよね」と言っていただけるポジションを確立しています。特徴的なのは、代理店営業を中心とした販売スタイルです。
保険会社の営業と言われて皆さんが思い浮かぶのは、ドアノックで飛び込み営業をして、時間をかけて信頼関係を築きながら販売に結びつける方法だと思います。生命保険は加入いただいて初めてお客さまをお守りできるので、このような方法で加入までに時間がかかってしまうと、その間に何かあってもお客さまをお守りすることができません。
そこで、より効率的に、効果的な保険をお届けするために、私たちは代理店営業を中心とした活動を行なっているのです。
当社の代理店の中心は「税理士事務所」です。中小企業を顧問先に持つ税理士自身が、顧問先の永続的な発展を目的に、生命保険を活用したリスクマネジメントの提案を行う仕組みを構築しています。また私たちは、TKC全国会や税理士会といった税理士が加入する団体と業務提携し、そこに登録している税理士事務所1社1社を通じて、より多くの中小企業にリスクマネジメントが届けられる環境を作っています。
昨年から企業の求人倍率が回復し、応募者の獲得に苦戦するように
──大同生命保険における、キャリア採用の位置づけを教えてください。
平野:従業員が産休育休に入ったことで生じた欠員を埋めるためであったり、お付き合いする税理士の方や中小企業の数が増えたことによる増員であったりと、状況に合わせて適宜採用を実施しています。特に採用目標は設けていませんが、毎年の新卒採用数が80~100人ほどなのに対し、キャリア採用数も60人ほどと、結果的に新卒・キャリアがバランスよく入社しています。
──Eight Career Designの導入前は、どのようなサービスを使っていましたか。その中で、ダイレクトリクルーティングに興味を持ったきっかけがあれば教えてください。
平野:これまでは、人材紹介サービスを中心としつつ、リファラル採用も行ってきました。当社は、2020年にコロナ禍で様々な企業が採用を控えた期間も安定的にキャリア採用を続けており、当時はとても多くの方に選考に応募いただきました。
しかし、2021年あたりから求人倍率が回復してきたことで、応募者の獲得に苦戦するようになりました。
これまでのように待っているだけでは、優秀な人財は他社に取られてしまう。そういった思いから、こちらからアプローチができるダイレクトリクルーティングに興味を持ちました。
これまで接点を持てなかった優秀な人財とも、カジュアル面談で会えた
──Eight Career Designの導入を決めたのは、どういった経緯だったのでしょうか。
平野:私はよくInstagramで採用に関する情報を集めているのですが、その広告で気になるトピックを見つけ資料請求しました。それがたまたまEight Career Designの提供している資料だったんです。それをきっかけにEight担当者から連絡をもらい、お話を聞きました。
当社は、主に代理店営業を中心に募集を行っているため、多くの営業経験者と接点を持ちたいと考えています。考えてみれば、営業担当者は名刺を交換する機会が多いですよね。それなら、名刺情報をもとにアプローチするEight Career Designがまさに役立つのではないかと思いました。
また、転職意向の有無にかかわらず、営業経験のある人と接点が持てるのも大きかったですね。当社の代理店営業は、同業他社の営業のイメージとは異なるので、こちらからのアプローチで初めて「おもしろいかも」と思っていただけることがよくあります。すぐに転職には繋がらなくても、タレントプールという発想で、将来的に当社のことを思い出してもらえるきっかけづくりができればと考えています。
──実際にEight Career Designを使ってみて、いかがでしたか。
平野:特に業界は限定せず、営業経験がある方を中心にスカウトメールを送っていますが、カジュアル面談を希望される方は意外と多い印象です。例えば製薬会社のMRの方など、これまでなら接点を持てなかったような業界の優秀な人財から、「今すぐに転職は考えていないが話を聞いてみたい」といった反応がありました。
全く転職を考えていない状態から、約1カ月で内定へ
──意外な活用方法の発見もあったのですね。今回、Eight Career Designで1名の方の採用に成功されたと伺いましたが、この方とはどういった経緯で接点を持ったのでしょうか。
平野:この方はホテル業界で2社経験があり、営業に加えてホテルの立ち上げや採用、人財育成まで幅広い経験をバランス良く持っていました。当社は総合職として入社いただき、初期配属は営業からスタートします。そしてその後は営業だけでなく、商品企画部門やコーポレート部門など様々な部門の業務も経験いただきます。この方であれば、当社の幅広いフィールドでこれまでの経験を活かし、活躍してくれるのではないかという期待がありました。
実は、スカウトメールに反応があった当初は「転職は全く考えていない」と話していました。ただ、当時担当していたホテルの立ち上げの仕事は、オープンする場所に合わせて数カ月単位で勤務地が変わるため、家族と一緒に暮らすことができないことをネックに感じていたようです。そのため、今後に向けて働き方の可能性を探りたいとのことでカジュアル面談の依頼がありました。
──カジュアル面談でお話しされて、いかがでしたか。また、転職は全く考えていない段階から、選考に進む決断をされるまでどれくらいの期間だったのでしょうか。
平野:1時間ほど面談した後、最後に「選考に進みます」と言われて驚きました。当社のビジネスモデルや仕事の内容がおもしろそうだと感じてもらえたことに加えて、全国転勤はあるものの家族と一緒に暮らしていけること、福利厚生制度を活用し、子供の成長に合わせて単身赴任も選択できることが決めてとなったようです。
結果的に他社への応募や比較も特に行わず、当社の選考だけを受けて、サッと入社してくれましたね。
──振り返って、成功要因は何だったと思いますか。
平野:カジュアル面談をとおして、制度や福利厚生に関することまで伝えられたことだと思います。本人はもちろん、家族まで納得感を高めたうえで選考に進んでもらえたのだと思います。
これはダイレクトリクルーティング全般に言えることですが、初めにカジュアル面談を行うので、制度面や給与面などをお互いにクリアにしてから選考を進めることができるんです。
選考が開始すると候補者サイドからは聞きにくいようなことが最初にクリアになるので、あとはマッチングしていくだけ。そのため、今回は選考自体もすんなりと進み、スカウトメールの送付から最終面接の合格まで1カ月と、スピード感は通常の2倍でした。
転職潜在層はいるのだと本当に感じた
──Eight Career Designの活用を通して、大同生命保険の採用活動に変化はありましたか。
平野:1名の内定者を獲得できたことで、転職潜在層はいる、そこにアプローチするメリットはあると感じました。
Eight Career Designの導入当初は「とにかくやってみよう」という実験的な気持ちもありましたが、今後は「もっと幅広く候補者を探していこう」と、接点をつくる機会を増やすことに考え方がシフトしましたね。
──今後の採用活動の展望をお聞かせください。
平野:これからは、タレントプールやアルムナイを活用して、欲しいタイミングで欲しい人財を安定的に採用できるような環境を構築していきたいですね。また、キャリア採用では多様な人財を獲得しながら、社内の化学反応を促進し、おもしろいビジネスを創り出していけたらと思っています。
※インタビュー内容は、2022年11月28日時点のもの
執筆:三ツ井香菜 撮影:塩川雄也 編集:南野義哉(プレスラボ)