セミナーレポート
2022年11月8日 開催

11年向き合ったプロが教えるエンジニア採用の指南書〜 採用担当者が知るべきエンジニア採用の知識とは?

ITエンジニアの求人倍率が約10倍(※)という状態にある今、高い倍率の中から優秀な人材を採用するためには、採用担当者がしっかりとした知識を持って戦略を立てて臨まなければなりません。

そこで今回、11年採用に向き合った株式会社プロ人事代表取締役の三宅 雄太氏にご登壇いただき、採用担当者が知るべきエンジニア採用の知識についてのセミナーを開催いたしました。

ITエンジニア採用には、エンジニアの悩みを知ることが大切だという、採用のコツをご紹介します。

※参考:doda『転職求人倍率レポート』2022年9月

登壇者紹介

株式会社プロ人事 代表取締役

三宅 雄太(みやけ ゆうた)

株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア株式会社)にてキャリアコンサルタントとして転職支援を実施、IT領域に強い。令和元年に(株)プロ人事を創業、採用コンサルタントとして各業界の採用支援を行う。
これまででご支援させて頂いた企業は​創業3年で250社以上。

採用戦略はITエンジニアの悩み別に決める

「ITエンジニアとは?」を見直して採用要件を再確認

三宅氏:doda『転職求人倍率レポート(2022年9月)』によると、ITエンジニアの求人倍率はおよそ10倍です。難しいITエンジニア採用を成功に導くためには、エンジニアリング領域や開発言語だけではなく、ITエンジニア特有の悩みも理解したうえで、採用戦略を決める必要があります。そのために、まず必要なのが「ITエンジニアとは?」という基本知識を把握することです。

ITエンジニアのパターンと企業タイプを把握しよう

三宅氏:今回は、ITエンジニアを4パターンに分けて説明します。

<ITエンジニアのパターン>
1 業務系エンジニア(SES系)
2 ウェブ系のエンジニア(WEBサービス)
3 組み込み系エンジニア(IoT)
4 汎用機系エンジニア

三宅氏:企業は3タイプに分けてご紹介していきたいと思います。

<ITエンジニア採用を目指す企業パターン>
1 客先常駐が基本のSES企業
2 自社パッケージ・サービスを持つ開発会社
3 情報システム部門を持つ会社

三宅氏:自社以外は、企業パターンが異なっていてもライバルと思ってください。ライバルの情報を知ることは重要なポイントです。自社だけでなく、ライバル企業のタイプも把握して、対策を立てていきましょう。

ITエンジニアの悩みはタイプ別にチェック

三宅氏:ITエンジニア採用では、募集要項やスカウト文面に、ITエンジニアの転職に関する悩みを解決できるようなコンテンツを盛り込んでいきましょう。そのためには、エンジニアの抱えている悩みの把握が必要です。

業務系エンジニアの悩みは大きく3つに分けられます。

<業務系エンジニアの悩み>
1 客先常駐が多いので、帰属意識が生まれづらい/生まれない
2 残業が多くなってしまう
3 上流工程に就きたい

三宅氏:この3大悩みは、組み込み系エンジニアにも見られます。

<組み込み系エンジニアの悩み>
1 客先常駐が多いので、帰属意識が生まれづらい/生まれない
2 残業が多くなってしまう
3 上流工程に就きたい

三宅氏:業務系エンジニアは帰属意識を、組み込み系エンジニアは帰属意識と時間を求めて転職を希望される方が多いです。この悩みを解決できるソリューションを提供することが採用成功のポイントとなります。

三宅氏:ウェブ系エンジニアは、自社のサービス開発をしているため、帰属意識は悩みにつながりにくいです。一方、給与面や評価面に悩みを持っていることが多くあります。

<ウェブ系エンジニアの悩み>
1 給与や評価に不満がある
2 残業が多くなってしまう
3 技術や経験を積み上げにくい

三宅氏:自社のプロダクトの収益によって賞与が左右されやすいことも、悩みのひとつに挙がりやすいです。一番多いのは、自社サービスを開発しているため、得られる技術や知識、経験が固定化しやすいこと。技術や経験を上げていきたいから転職するというケースがよく見られます。

三宅氏:汎用機系エンジニアの悩みはウェブ系エンジニアと共通するものが多いです。

<汎用機系エンジニアの悩み>
1 給与や評価に不満がある
2 残業が多くなってしまう
3 ウェブ系にキャリアチェンジしたい

三宅氏:ウェブ系との違いは、ウェブ系へのキャリアチェンジを希望している方が多い点です。給与や時間に加えて、ニーズも転職の大きな理由となっています。

エンジニアの悩みが解消できることをスカウト文面やコンテンツでアピール

課題を払拭するコンテンツを充実させることが採用成功への近道

三宅氏:エンジニアのパターンと企業タイプは、さまざまな組み合わせが考えられますが、転職や採用のシーンでは、現状と同パターン・同タイプで検討されることも多いです。その場合、どう課題を克服し、悩みを払拭していくかが採用成功のカギとなります。

三宅氏:SES企業の場合、業務系エンジニアの採用は“帰属意識”が大きなキーワードです。企業側では「客先に常駐するので、帰属意識が生まれづらいのは仕方がない」と諦めているケースもよく見られます。また、エンジニア側も、帰属意識を求めるなら自社サービス開発へとキャリアチェンジするのが王道となってしまっている状況があります。

業務系エンジニアの採用を目指している企業としては、こうしたキャリアチェンジを思いとどまっていただけるような、帰属意識が生まれる体制をしっかりと作っていく必要があります。

何に注力すればよいのかを、エンジニアの悩みを把握することで明確にする。そして見えてきた課題点を払拭していけるようなコンテンツを作り、充実させるようにしていくことが非常に重要です。

三宅氏:一方、自社パッケージを持つ開発会社の場合は、自社サービスの優位性と個々に合わせたスカウト文の作成を重視していく必要があります。

自社パッケージを持つ開発会社の採用でもっとも注意したいのが、客先常駐や他社サービスの開発ではなく自社のサービスを開発できる点はアピール要因にならないことです。

ライバルは、他の自社サービスの会社のため、自社のプロダクトを開発できることをアプローチしても候補者には刺さりません。候補者自身も、自社サービスの開発をすでに担っている可能性も高いです。

そのため、自社パッケージそのものの優位性、他社製品との違いのアピールが重要となります。そのアピールを候補者それぞれに合わせたスカウト文面に落とし込んでいくのがポイントです。

三宅氏:情報システム部門を持つ会社については、一部のエンジニアから人気があるため、採用媒体としては人材紹介が相性が良いと言われています。人材紹介を活用してもなかなか採用がうまくいかない場合には、何か問題が発生していることが予想されます。そうした場合には、ダイレクトリクルーティングも併用してみるのがおすすめです。

ダイレクトリクルーティングはスカウト文面のカスタマイズで攻略

三宅氏:ダイレクトリクルーティングのスカウト文面では、シンプルに課題のキーワードを入れるようにすることが、手っ取り早い解決策です。

<ITエンジニアのパターン別キーワード>
・業務系エンジニア:帰属意識
・ウェブ系エンジニア:給与・時間・スキルアップ
・組み込み系エンジニア:帰属意識・時間
・汎用機系エンジニア:給与・時間・ニーズ

三宅氏:スカウト文面は、KPIの観点からは短い方がいいとされています。そのため、情報を盛り込みすぎるのもよくありません。また、スカウト文面が、自社の自慢だけではなく、候補者の課題解決に寄り添う、前向きな文面になるよう心がけましょう。

課題を解決すれば採用成功につながります。エンジニアの抱える悩みと、企業の抱える課題を把握し、解決のために考える。これが、採用課題もしくはエンジニアの転職における課題の解決に、最短距離でたどり着ける近道であると考えています。

ダイレクトリクルーティングと採用ブランディングを結びつけて他企業との差別化を図る

三宅氏:ダイレクトリクルーティングのフェーズごとに採用ブランディングのコンテンツを当てはめていく形で、一緒に取り組んでいくと、採用成功につながります。

三宅氏:特にオファー面談の際には候補者別に、その方にマッチする型のコンテンツを用意しておく手法はおすすめです。フェーズ毎のアプローチとダイレクトリクルーティングはとても相性がいいので、ぜひ取り入れてみてください。

まとめ

難しいとされているITエンジニアの採用は、エンジニアの悩みを理解しそれを解決するためのコンテンツの用意と、適切なアピールが必要だということがわかりました。

採用ブランディングと相性のいいダイレクトリクルーティングですが、どのように進めていけばよいか迷われたときには、100社以上のダイレクトリクルーティング代行を担ってきたノウハウをもつ株式会社プロ人事に、ぜひお問い合わせください。

また、従来の採用手法では会うことができない優秀な人材にもダイレクトにアプローチしたい場合は、Eight Career Designが活躍します。既存の転職市場では見つけられない自社に合う人材にアプローチいただけるため、ご興味ございましたら、こちらにもぜひお問い合わせください。

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