セミナーレポート
2023年1月12日 開催

「転職潜在層って本当に動くの?」転職の”きっかけ”から見る優秀な潜在層を採用につなげるポイント

2030年にはIT人材が最大約80万人不足すると言われる昨今は、転職潜在層へのアプローチが不可欠となっています。転職潜在層の方を採用する上で大切なのは、実際に転職に至った潜在層の方々の心の動きを理解することです。

今回は事例をもとに、転職潜在層の心の動きや採用につなげるポイントについて、弊社の西島が行ったセミナーの様子をダイジェストでお届けします。

登壇者紹介

西島 洋明(にしじま・ひろあき)

Sansan株式会社 Eight事業部 Eight Career Design 営業マネジャー 

大学卒業後、WEB広告代理店に入社しWEBプロモーションの支援を行う。その後、株式会社GYAO、クックパッド株式会社勤務を経て2017年にSansan株式会社に参画。2019年より『Eight Career Design』の最初のセールス担当として事業の立ち上げに従事。IT企業を中心に、これまでに2,000社以上の採用担当者と対話を行っている。

1.転職潜在層へのアプローチの必要性

西島:まずは転職潜在層にアプローチする理由についてお話します。

今の日本の労働人口や中途採用の市場外況を見てみると、労働人口は10年後にはマイナス644万人になると言われています。一方で日本の転職市場の現状は、1年間に転職する人口といわれる労働者全体の4.3%を、数多くの企業で奪い合ってる状況です。そのため以下のような課題に直結しがちとなっています。

<中途採用における課題>
・採用要件に合う人材の母集団形成ができない
・他社とバッティングして辞退されてしまう
・そもそも認知がなく候補者と出会うことすら難しい

西島:問題解決のためには、競争率の高い転職顕在層ではなく「転職潜在層」と言われる、転職サービスにまだ登録していない層にアプローチしていくことが今後必要になってくると考えられます。

<転職潜在層へのアプローチするメリット>
・人数が圧倒的に多い
・他社とバッティングせず採用につなげることができる
・所属企業で活躍している+転職活動できていないような優秀な人材を採用できる

一方で懸念点もいくつかあります。

<転職潜在層へアプローチする際の懸念点>
・転職を考えていない人材が本当に動いてくれるのか
・採用まで時間がかかるのでは?
・内定を出しても承諾してもらえず工数が無駄になりそう

西島:これらを解消するためには、転職潜在層の心理を理解することが重要になります。

2.転職の”きっかけ”に見る、転職潜在層の心理とは

西島:ここからは、なぜ転職潜在層が転職したのか、その時どんなことを考え、どんな状況にいたのかなどを、弊社の事例とともにご紹介します。

現職との事業スケールの違いが転職動機になったAさんの事例

西島:設立約10年半の人材系ベンチャーに勤務し、当時の状況にとても満足していたAさんでしたが、弊社サービスを通して有名企業から突然スカウトを受けます。その企業は現職と同じような事業領域で新規事業に取り組んでいることを知り、他社事業の情報収集という目的で面談に挑みました。

その中で現状の会社との事業のスケールの違いに驚いたAさんは「今よりももっと大きなことができる」と、最終的にスカウトされた会社への転職を決めたといいます。面談時にある程度のインパクトを与えることで転職を決意させた事例といえるでしょう。

<面接動機>
・他社事業の情報収集

<転職の決め手>
・現在の会社ではできない事業スケールだったこと
・今よりも大きな仕事ができること

現状への漠然とした不安を抱えた転職潜在層のBさんの事例

西島:Bさんは将来のキャリアに漠然と不安を感じるものの、忙しくて転職サービスに登録する時間がない状態でした。そこにEightから突然のスカウトが届き、せっかくのご縁なので話を聞いてみようと面談に至ります。

以前から就きたかったキャリアアドバイザーが求人業種だったこと、また面談の担当者だった女性のキャリアの在り方にも魅力を感じ、「ここで転職しなければ再び現職の業務に埋もれてしまい、二度と転職できないかも」という思いから転職を決意しました。

<面接動機>
・スカウトメールで縁を感じた

<転職の決め手>
・将来に対する漠然とした不安
・求人職種に魅力に感じていた
・面接担当者のキャリアのあり方にも惹かれる

西島:転職潜在層には、こうした心理状態に踏み込んでいくことが必要です。

挑戦意欲から転職に至ったCさんの事例

西島:当時は3度目の転職を経て100名以下のメディア企業の営業職に就いたCさん。これまでの実績を評価され、社内ではさまざまなプロダクトの営業を担当。社内のからの信頼も厚く仕事には満足していましたが、本人はこの会社でできることは全てやりきったと感じていました。

30代になり挑戦意欲を強く持つようになったタイミングで、昔から憧れを持っていた大手ネットメディア企業からスカウトが届きます。別に転職するためではなく、自分がどう評価されてるのかと思い面談を受けました。

結果、自身のキャリアを見つめ直す機会になったこと、またこれまでの仕事で向き合ったキャリアの軸に合致し、給与や条件面もよかったことから転職を決意します。

<面接動機>
・市場での自分の評価を知るため

<転職の決め手>
・今の会社でできることはやりきったという思い
・キャリアへの挑戦思考
・これまでのキャリアの軸に合致したこと
・給与や条件面の良さ

西島:弊社がEight Career Designを始めて4年になりますが、その中で感じるのは「キャリアに対して何かしらの課題や意識はあるものの、転職サービスへの登録には至っていない」という方が多くいらっしゃるということです。

転職を決意する転職潜在層は「多忙ゆえにキャリアチェンジに向き合える時間がない」方が多い

西島:Job総研の調査によると、キャリアに関する悩みがあるものの、いつでもキャリアチェンジできるように自分のキャリアを棚卸ししてる人は4割未満しかいらっしゃいません。

西島: 今回の事例を見ると、こうした転職潜在層の方たちは自身の興味や情報収集がきっかけで面談に足を運ぶことが分かります。
まずはスカウトメールを通して、「自社と同じような事業展開で情報収集しよう」とか「自分の市場価値を確認してみよう」といった気持ちになっていただき、優秀な潜在層との接点を持つことが大事です。

3.採用成功企業の事例から学ぶー転職潜在層を採用につなげるために必要なことー

西島:まずは転職顕在層と潜在層それぞれの課題を整理します。

<転職顕在層と転職潜在層の課題>
転職顕在層:他社よりも良い条件でないと内定承諾しない/他社とバッティングして負けてしまう
転職潜在層:他社とバッティングはないが、緊急度はそれほど高くないので会社に強い興味を持たないと応募しない

西島:転職潜在層の方を採用するためには、まず企業に興味を持ってもらうことが鍵となります。そのためには惹きつけが非常に重要です。

西島:惹きつけは自社の状況に合わせて、適切なタイミングで行うことが大切です。 具体的には、カジュアル面談からオファー面談までそれぞれ誰が担当し、何をどうするのかという部分がポイントになります。

西島:カジュアル面談や面接で未だに「何ができるの?」と聞く方がいると耳にしますが、候補者様が会社を選ぶ時代、選べる時代に変わっています。企業側は選んでもらえるための設計づくりが重要です。

ここからは、弊社の採用で成功している人たちを、うまく惹きつけた事例をいくつかご紹介します。

惹きつけ例①:候補者ファーストのカジュアル面談

西島:ここからはEight Career Designを活用いただき、惹きつけに成功した事例をいくつかご紹介します。

<採用できた人物>
大手企業出身/20代若手/業界に数少ないM&Aアドバイザリー職

<惹きつけのための取り組み>
・面談ではGive&Takeの視点で、社員に提供できる価値を伝える
・候補者のキャリアを一緒に考える姿勢で寄り添い、最適な選択をできるように後押し

西島:「うちに来ればこういうことができる」など候補者に情報をきちんと伝え、また今後のキャリアビジョンを聞いた上で具体的な提案をするなど、寄り添う姿勢をうまく示したことが重要なポイントです。

惹きつけ例②:独自の面談や懇親会

<採用できた人物>
希少なSaaS業界経験者/管理職経験者

<惹きつけのための取り組み>
・自ら候補者のもとへ出向き、ハードルの低い面談を設定
・社員との懇親の場を設けるなど、コミュニケーションをとり続けて意向度を上げる

西島:会社側が選ばれる立場であることを理解した上での取り組みに徹したことは重要です。また選考途中で何名かの社員との懇親の場を設けることで会社の雰囲気を理解してもらい、ミスマッチのないよう候補者の不安を取り除くことを全社で取り組めた点も大きなポイントです。

まとめ

今回のセミナーから、転職潜在層は「転職しない層」だけではなく「現状の職場やキャリアに課題を感じているものの、アクションできていない層」も存在することがわかりました。

優秀な潜在層を採用につなげるためには、相手の興味や市場の情報収集といったきっかけで面接に足を運んでいただくことが必要です。またスカウト面談では選んでもらえるための設計づくりが必要であることも、ポイントと言えるでしょう。

転職のきっかけは意外なところにあります。今回のセミナーを見ながら貴社の方法を振り返ってみませんか。

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