セミナーレポート
2022年7月25日 開催

ヌーラボのエンジニア採用を大解剖〜優秀なエンジニアを獲得する人事は何をしているのか〜

エンジニア採用は見極めや惹きつけが難しく、現場エンジニアの方との協力は不可欠です。しかし人事担当者との距離感があり、どう進めたらよいのかわからないという課題をお持ちの企業様も多くいらっしゃいます。

そこで、エンジニア採用に向き合って、優秀なエンジニア採用を行われている株式会社ヌーラボの安立 沙耶佳氏と、エンジニア採用のサポートを行っているLAPRAS株式会社の廣瀬鮎美氏にご登壇いただいたセミナーの内容をダイジェストでご紹介します。

ユニークな採用活動を元にした成功のポイントを、3つの視点からご紹介します。

登壇者

安立 沙耶佳 (あだち・さやか)

株式会社ヌーラボ マーケティング部 PR担当

新卒で人材サービスを運営する企業に入社し、スタートアップ〜メガベンチャーを担当するリクルーティングアドバイザーに従事。その後、新規事業部門にて、ITエンジニア向けのWeb Servicesの渉外・ビジネス開発を経験し、2016年11月福岡に本社を置く株式会社ヌーラボに人事担当として入社。現在まで職種問わず100名以上の採用に携わってきた。2022年10月よりPR担当に異動。

廣瀬 鮎美(ひろせ・あゆみ)

LAPRAS株式会社 カスタマーサクセスマネージャー

東京大学大学院人文社会系研究科修士課程を修了。卒業後、顧客満足度・従業員満足度向上支援のコンサルティング会社に入社。小売業界のクライアントを担当し、調査設計・分析、リーダーシップ研修・ビジョン策定研修設計等を経験。その後、総合コンサルティング会社にて管理会計業務改善、セキュリティ対策組織立ち上げ支援を経て、2019年10月カスタマーサクセス担当としてLAPRASにジョインした。

ファシリテーターは弊社の木村が担当しました。

人事2名+関係各所で1つのチャネルを深堀りする採用スタイル

木村:まずは、株式会社ヌーラボの採用について簡単にご紹介をお願いします。

安立氏:私たちは、基本的に人事2名と、採用に関わる情報発信は広報、採用プロセスはサービス開発部長、一緒に働くことになる各チームのみなさんと一緒に活動を行っています。その中で人事は、認知獲得から採用選考、入社内定後のフォローまで採用に関わるすべての工程に携わっている状況です。

<株式会社ヌーラボの採用特長>
・カジュアル面談からエンジニアも入る
・技術面接は最低3名以上で行う
・応募いただいた方にもカジュアル面談を行う

安立氏:採用チャネルとしては、2022年度7月1日までの情報なのでエージェントが多いように見えますが、会社ホームページとリファラルで半分くらいになっています。リファラル採用が増えてきているのですが、社内でリファラル採用の施策はしておらず、社員数の増加とともに、徐々に自然発生的に増えてきているような状態です。

チャネルを広げるよりも、1つのチャネルを深堀りして、しっかり使い込むのが私たちのスタイルです。

【認知〜応募段階】人材要件の共通認識を持って臨む

応募件数のアップより一分の一採用を目指す

木村:応募件数を増やすことよりも、最適な方に応募いただくスタイルを採っていると伺ったのですが、どういった考えがベースにあるのでしょうか。

安立氏:前職で人材紹介の営業担当をしていたときに、「採用の理想形は、一分の一で決めること」と学んだのが根底にあります。1名の採用枠に100名集めるのがいいこと、という考え方ではなく、最初からピッタリ合う1名だけにお会いできるのがベスト、というスタンスです。

木村:一分の一で決められるのは理想ですが、現実は難しくて数十名〜100名くらい集めるのが基本となっているように感じています。廣瀬さんは、どのように思われますか?

廣瀬氏:ダイレクトリクルーティングが広まってきている中で、一分の一採用ができるのは理想だと思います。ただ現実は、ピッタリ合う方というのがどういう方なのか、人材要件が明確化されていないという根本の部分に課題がある。さらにその課題が顕在化しづらい状況があると感じています。

<人材要件を考える3つのステップ>
1.自社や事業の今後について方向性をまとめる
2.現状を把握する
3.目指すものと現状のギャップを埋める手段の一つが採用

廣瀬氏:採用広報からスカウトや応募・面談選考と進んでいく過程で、それぞれを担当される方が異なるケースが多いと思います。複数の方が関わる場合、すべての方が一気通貫で同じ認識を持っていないと、どんなに頑張っても入社に至らない状況に陥りがちです。そのため社内で1つの共通認識を持っておくのはとても大切なポイントです。

また、候補者の方にとっても、採用要件や今後の方向性などは知りたいところなので、しっかり言語化し見える化していくこと。これも重要なポイントとなります。

木村:社内で共通認識を持つために、安立さんは具体的にどのようなことをされていますか。

安立氏:人事側で情報をまとめた資料を作って、すり合わせを行っています。「こういう方を求めているんだよね?」という情報を元に、「ここはちょっと違う」など細かく調整していくので共通認識が固まっていく形です。私は開発のプロではないですし、エンジニアの方は求人のプロではないので、人事側でできることは全力でやるように意識しています。

採用広報も人事が積極的に働きかけて進めていく

木村:広報と連携したコンテンツなどの発信についてはいかがでしょうか?

安立氏:コロナ禍以前は月1回テックイベントも行っていましたが、現在はオンラインカンファレンスを四半期に1回程度、他にブログリレーもやっています。基本的には人事が企画・アサイン・進行などを担っています。

廣瀬氏:ブログは、最初は順調でもなかなか続かないと悩まれている企業様が多いようですが、安立さんが工夫されていることは何かありますか?

安立氏:エンジニアの皆さんの自発的な情報発信を応援することに加え、採用ターゲットを鑑みて、テーマや内容を人事から働きかけるようにしています。書いてほしいことを具体的に箇条書きにして渡して、戻ってきたものを基に記事にしてブログにアップしたり、面接官になる方にインタビューして記事化したりといったこともしています。

【応募〜内定承諾段階】候補者の方を歓迎するスタンスをどの段階でも貫く

木村:アトラクト(惹きつけ)で、ユニークな施策をされていると伺いしましたが、具体的にはどんなことをされているのでしょうか。

安立氏:私たちの行動すべてがアトラクトにつながっていると考えているので、候補者の方を歓迎するスタンスを貫くようにしています。特長的なのは、技術面接を行う際に、3時間確保して対応していることでしょうか。

面接自体は2時間で、前後に30分の打ち合わせをしているんです。
前半は、レジュメの読み直しや面接の内容についてどこを深掘りして聞きたいかなどの情報確認を行う作戦会議。後半は、技術面接のジャッジ結果のすり合わせです。前半の打ち合わせの場には、人事も含めフルメンバーが揃っていて、そこに候補者の方が入室されるので「あなたのために、しっかり準備しています」ということが伝わりやすくなっていると思います。ここはアトラクトの重要なポイントなので、省くべきではないと考えています。

ただ、技術面接よりももっと前の、応募いただいた段階での対応もアトラクトにつながってくるので、全体のプロセスの中でもここだけを頑張ろう、人事だけで頑張ろうということは考えていないです。

現場エンジニアとの連携は同じ言語で話せる知識を身につけるのがカギ

木村:ヌーラボさんは、エンジニアの方が採用にしっかり参加してくださっていますが、どうしたらそのような環境が作れるのか、アドバイスはありますか?

安立氏:まず、同じ言語で話せるだけの知識を身につけることが大切だと思います。LAPRASさんの「採用・人事担当者のためのITエンジニアリングの基本がわかる本」はエンジニア採用に関わる際に必要な情報が網羅されているのでおすすめです。エンジニアの方のスキルや経験が、採用条件を満たしているかのジャッジは一緒に仕事をすることになるエンジニアの方々が行うので、人事はしません。ただ、人事としてできるサポートやアドバイスは全力でするので、そのためにも知識を身につけておくのは重要だと思っています。

廣瀬氏:よく人事の方が「エンジニアの方は本業で忙しいことがわかっているので、お時間いただくのが申し訳ない」というお悩みを持たれているとお伺いするのですが、安立さんはどのように対応されていますか?

安立氏:申し訳ないという気持ちは私もわかります。だからこそ、人事でできることは人事でやりきって、人事ができないところをおまかせしています。早く新しいメンバーが参加するのが一番嬉しいことだと思うので、最短で採用が進むように努力中です。

まとめ

株式会社ヌーラボの採用のユニークな取り組みは、以下のポイントを大切にしていていました。

<株式会社ヌーラボの採用取り組みポイント>
・人事ができることはすべてやりきる
・人事ができないところは現場エンジニアにお任せする
・関わる社員の方が取り組みやすくなるように人事が準備をする
・しっかり話し合って共通認識を持つ
・すべてがアトラクトにつながると意識している
・エンジニアの方と同じ言語で話せるほどの知識を身につける

リファラル採用が徐々に自然発生的に増えていったというお話もありましたが、自然増は理想とはいえ、なかなか難しいところでもあります。そこで、つながりを活用した採用手法のサポートとなるEight Career Designの出番です。スカウト前にゆるやかにつながるアプローチが可能で、社員紹介が進めやすくなるため、導入していただきやすいサービスとなっております。

Eight Career Designのプロフェッショナルダイレクトリクルーティングにご興味のある方は、ぜひお問い合わせください。

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