ダイレクトリクルーティングやリファラル採用など「攻め」の採用が注目される中、転職潜在層へアプローチする場合、「カジュアル面談」を通して企業と候補者との関係性を醸成することが採用へとつながることが分かってきました。
本セミナーでは「カジュアル面談」の実践方法や、弊社サービスを活用し採用成功された事例などをご紹介します。
登壇者

長澤 良太(ながさわ・りょうた)
医療・介護領域のエージェント、システム開発会社の立ち上げに携わりメンバーから執行役員まで幅広く経験。2019年Sansan株式会社に入社し、現在は「Eight Career Design」のカスタマーサクセスを担当。

西島 洋明(にしじま・ひろあき)
2017年Sansan株式会社入社。2019年より「Eight Career Design」のセールス担当として立ち上げに従事し、IT企業を中心に2000社以上の採用担当者と対話を行っている。
転職潜在層の採用が求められる背景と重視すべきポイント
西島:年間で転職する人は労働人口の5%弱と少なく、優秀な人材を採用するために「転職潜在層」へアプローチしていく必要性がより高まっています。
ここで課題となる「転職潜在層が応募や選考へ動くかどうか」という点に対して、正しいアプローチ方法を実践すると内定承諾率が非常に高くなることも分かってきました。
<転職潜在層へのアプローチの特長>
1.転職活動中の人材に比べて人数が圧倒的に多い
2.所属企業で活躍している+転職活動できていない優秀な人材を採用できる
3.会社のミッションなどに共感して入社し会社のエンゲージメント向上につながる
4.他社と競合することが少なく採用につながる
西島:転職潜在層でも自社に対しての興味づけができれば1~2か月ほどの短期間で内定承諾を得られる可能性が高くなります。

西島:ここで大きなポイントとなるのがカジュアル面談による魅力づけ=Attract(アトラクト)です。

転職潜在層に向けたカジュアル面談の実践方法
長澤:ここからカジュアル面談についてお話させていただきます。
カジュアル面談の目的
長澤:カジュアル面談の最大の目的は候補者から選考希望を得ることです。
転職潜在層の方は現状への不満もなくライトな気持ちで面談に臨む方が多いと言われます。
その中でカジュアル面談を成功させるポイントは、候補者の自社での可能性やビジョンへの共感など、応募の意思を後押しするよう候補者の心理に変化を起こすことです。

カジュアル面談の失敗パターン
長澤:一方でカジュアル面談は難しいという企業様の声も多く聞かれます。
候補者に対してどのような情報を提供するかが整理できておらず、自社の魅力をお伝えすることができない場合や、面談の最後に応募や選考に進む意思があるかどうかを聞かずに終話してしまうと応募に至らないことが多いことが分かってきました。
<カジュアル面談の失敗パターン>
1.カジュアル面談なのに志望動機を聞くなど見極めをしてしまっている
2.自社の魅力を整理できておらず惹きつけが弱くなってしまう
3.応募・選考に進めるようにクロージングせず終話してしまう
長澤:面談担当者はカジュアル面談の目的や内容をしっかりと連携して実践することが重要です。
カジュアル面談を実施する上での工夫
長澤:カジュアル面談では候補者の年齢や経験を考慮しペルソナ設定をした上で惹きつけポイントを言語化しておくことをお勧めします。
また自社の課題やフェーズを率直に候補者に伝え、「この人と働きたい」「魅力的な人材が多そうな会社だ」と思ってもらうために現場の責任者やマネージャークラスに参加してもらうといいでしょう。
<カジュアル面談を実施する上での工夫>
1.ターゲットに応じた惹きつけポイントを整理し、Give&Takeを忘れない
2.自社を押し売らず、素直に事実も伝える
3.惹きつけができる適切な社員をアサインすること

カジュアル面談の流れ
長澤:カジュアル面談は選考ではないことをしっかりと理解してもらうようにしましょう。
自社の説明をする際にはなぜその方にお声掛けしたのか、なぜ面談したかったのかという点までお話すると効果的です。
質疑応答は要所で行い、「過去にはこんな質問がありました」など質問例を提供するとスムーズに進みます。最後にクロージングは非常に大事です。選考や応募に進みたいかなど、候補者の意思をしっかりと確認します。
<カジュアル面談の流れ>
1.アイスブレイク(目的確認)
2.会社・ポジション説明(提案)
3.質疑応答
4.クロージング

転職潜在層へのカジュアル面談の実践方法まとめ
長澤:アプローチの際は応募の意思を獲得することを最大の目的として、カジュアル面談でいかに惹きつけることができるかがポイントです。
<カジュアル面談の重要性>
・転職潜在層へのアプローチの鍵は応募までどのように持っていくか
・特にカジュアル面談を実施し、自社の魅力を適切に共有すること
<カジュアル面談を実現する上でのポイント>
1.候補者に応じた自社の魅力の整理
2.自社の強みや弱みを素直に伝える
3.惹きつけができる適切な社員をアサイン
4.面談の目的を共有し、選考としない
採用成功企業の実践からみた工夫
西島:ここから弊社サービスを活用した採用成功事例をご紹介します。
企業例①「役員のコミットメント」
西島:ITサービスのベンチャー企業様がM&Aアドバイザリーを求められていた事例です。
M&Aアドバイザリーは難易度が高く、会社全体を巻き込んだ採用活動で成功しました。

企業例②「母集団形成を最大化させる工夫」
長澤:大手外資系コンサルティングの企業様で採用マーケティングの母集団形成を最大化した一例です。

企業例③「候補者の選考体験を踏まえたアクション」

まとめ
転職潜在層に存在する数少ない優秀な人材の転職意向度を高めるためには、企業側でも候補者を惹きつけるさまざまな工夫が必要だということが分かりました。
そのために候補者とのファーストコンタクトとなるカジュアル面談が非常に重要です。
実践のポイントを整理し多くの企業様で優秀な転職潜在層の採用に取り組んでいただきたいと思います。