転職検討層を取り込む惹きつけ方法
セミナーレポート
2020年11月19日 開催

転職検討層を取り込む“惹きつけ”方法を具体的フローとコンテンツ術から読み解く!

少子高齢化がますます加速し、2030年には今よりも600万人以上の労働人口が不足するといわれています。このような状況の中、多くの企業では、今後さらに人材確保が重要な課題となることが予想されます。

そこで今回は先進的な採用計画を実施しているnote株式会社と、弊社との共催によるセミナー『入社意欲を高める惹きつけ方法』から、2社のキーマンが語る採用現場の新しい取り組みを紹介します。

note株式会社からは、法人向け情報発信プラットフォームnote proの事業開発などを行っている高越 温子氏が登壇。弊社からはEight事業部Eight Career部マネージャーの橋本剛が参加しました。

登壇者

高越温子(たかこし・あつこ)

株式会社note事業開発部所属

2015年に株式会社リクルートキャリアへ入社し、各社の採用計画への協力や人材紹介営業、新サービスの立ち上げに従事。2020年3月note株式会社へ入社。法人向け情報発信プラットフォーム「note pro」を中心とした事業開発に取り組む。

橋本剛(はしもと・ごう)

Sansan株式会社Eight事業部Eight Career部マネージャー

新卒でカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社に入社し、Tポイント提携営業やデータベースマーケティング事業に従事。2019年にSansanに入社。『Eight Career Design』立ち上げ期にセールス面を中心に携わる。

攻めの採用で惹きつけが必要な理由

まずは弊社の橋本から、優秀な人材を確保するため企業に必要とされ始めた「攻めの採用」について、4つのポイントと具体的な事例を説明させていただきました。

① 優秀な人材確保には“惹きつけ”が必須
② タイミングに応じた“惹きつけ”を行う
③ 体系化することが大切
④ 強みを把握して、言語化する

橋本:日本国内の転職市場を見てみますと、1年間で転職する人の割合は労働者全体のたった5%です。さらに異業種への転職やキャリアチェンジする人が増加傾向にあるとされています。

このように限られた母集団の中で新たな採用競合他社が増加傾向にあることから、転職市場はレッドオーシャン化が進んでいくと思われます。

転職市場はレッドオーシャン

橋本:こうした状況の中で企業が優秀な人材を確保するためには、「待ち」から「攻め」の採用へと転換していくことが必要です。すでに転職活動をしている人だけではなく、潜在的な『転職検討層』にアプローチしていかなければ生き残れない時代へと入っているのです。

優秀な人材確保には惹きつけが必須

新しい転職市場へのアプローチ

橋本:攻めの採用では、『転職検討層』の中に必ず存在する優秀な人材をいち早く見つけ出して、自社の採用へと結び付けていくことが重要なミッションで、ただこの段階の候補者は、皆さんのことを深く知らない状態です。そのため転職検討層へのアプローチは【惹きつけ】が非常に大事なポイントになります。

タイミングに応じた“惹きつけ”が重要

優秀な人材を惹きつけるには

橋本:選考前の惹きつけでポイントとなるのが「カジュアル面談」です。ここでは「なぜうちに入りたいの?」といった話はせずに、自社のことを知っていただくための話をすることが大切です。

自社の魅力を言語化し、候補者に直接伝えていくだけでなく、等身大の会社の状況をお伝えすることで、候補者を惹きつけることに加え、、相手との間にミスマッチがないかを見極めます。

具体的な惹きつけ事例

橋本:それと同時に自社で、第三者媒体や自社のホームページなどを使った、採用のブランディングも必要です。

高越:確かに応募前から入社したいと思ってもらうことは、とても大事なことです。実際に、ブランディングとして採用目的で企業様からnoteをご利用いただくことが多くなってきています。情報発信してブランディングすることの重要性が認知されてきているのではないでしょうか。

体系化することが大切

橋本:実際にSansan社では、カジュアル面談のマニュアルを作成しています。細かい時間設定や重要なポイント、目的などを面談担当者に共有してマインドセットをしてもらいます。

会社のミッションなどを一方的に話してしまうと、面談の目的が達成できない可能性もあるので、より具体的にどのような時間配分で話をするのかというところまで、弊社では規定して実行しています。

フォロー面談について

橋本:より惹きつけを効果的にするためにはフォロー面談も効果的です。これによって内定承諾率が向上したという実例もあります。

面談が終わってほっとしたところで、候補者の本音を聞き出すことは非常に有効で、きちっと丁寧にフォローするということを心掛けています。

強みを把握して、言語化する

惹きつけるための極意:自社の強みを言語化(4P)

橋本:弊社ではマーケティングの4P のように、自社の強みの4Pを言語化しています。そのほか「出会いからイノベーションを生み出す」というSansan社のミッションを必ず伝えることも、採用メンバー全員が共有している事項です。

まとめ

橋本:ここまでの内容をまとめると、優秀な人材を確保するためには「攻めの採用」が非常に重要な時代になりました。そのためには戦略をたてて現職で活躍をする優秀層にいち早くアプローチすること、面談時にはタイミングに応じた惹きつけを行うこと、これらのことをきちんと体系化して、さらに自社の強みを把握、認識するために言語化することが弊社としては大事だと考えて採用活動を行っています。

候補者を惹きつけるためのコンテンツ活用術

次にnote株式会社の高越温子氏から、実際にnoteを利用した採用方法などについてお話していただきました。

noteとは

noteのご紹介

高越:まずnoteについて少しお話させていただきます。noteは「誰もが創作をはじめ、続けられるようにする」というミッションのもと、サービスを展開しています。

この「誰もが」という言葉には、実は個人だけではなく企業のみなさまをも含みます。企業の社会活動や事業のほか、さまざまなことを伝えていただければというサービスで、現在1600社様にご利用いただいている状況です。

また企業の情報発信を簡単に続けやすくするサービスとして、昨年の3月に生まれたのが「note pro」です。さまざまな利用方法があるのですが、特に多いのが採用を目的とした活用です。

では、どのようにnoteを利用して採用活動を行うのか、選考中にいかにコンテンツを使って候補者を惹きつけていくのかということに焦点を当てて、以下のポイントでお話させていただきます。

本日のゴール

noteでどういった情報発信ができるのか

事例として、弊社が実際に行っている採用取り組みをご紹介させてください。
弊社では「わたしたちの世界観に共感していただけるか」ということを非常に大事にしながら面接も行っています。ただ、世界観とは具体的に何を指すのかということを選考中に伝えきれないという場面が多々ありました。そこで、noteを使った情報発信を始めたといういきさつがあります。

noteで働くひとびと

こちらが「noteで働くひとびと」というコンテンツで、弊社社員が書いているnoteです。

ある職種を強化したいというタイミングには、実際に同職の社員を取材したインタビュー記事を公開しています。こうして、面接前や選考中の段階で、候補者にリアルな社員の声を見ていただき、会社の雰囲気をイメージしてもらいやすいようにするというメリットがあります。

記事を利用した惹きつけの方法

高越:また弊社では、各選考期間においてどのような目的でどんなコンテンツをお渡しするか、というところも具体的に設計しています。

記事のとどけ方

高越:弊社の採用ではカルチャーマッチですとかミッション、あるいはビジョンへの共感ということが大事な要素になります。そのため、これらの理解度を候補者の方に深めていただけるような内容のコンテンツをお渡ししています。

また選考の段階によって、候補者がどんな情報を必要としているかということを考慮しながらコンテンツを組み立てているというのもポイントです。

ここは各社によって変わってくると思いますが、それぞれどの目的で何をお渡しするかということは非常に大事になってきます。

記事のとどけ方

高越:上記はどのフェーズの方に何をお渡しして、どんな気持ちになってもらうかというところを設計したものです。Sansanさんでもフォロー面談を各所に入れていくなどの設計があり、弊社とも考え方が近いように感じましたがいかがでしょうか。

橋本:そうですね。会社の情報を伝える際にも粒度の違うものが多いので、具体的なイメージをしてもらうためには、各シーンによって分ける必要があると思います。

高越:ありがとうございます。弊社ではこのような取り組みを続けたところ、内定承諾率を非常に高い率でキープできるようになりました。

また副次的なこととして、noteで取り上げた職種への応募数が倍になるなど、コンテンツを利用した採用活動の効果が出ています。

最後にコンテンツを作る際に悩んでいる企業様に対しては「みなさんにとっての当たり前がコンテンツになる」という言葉を残したいと思います。

第三者から見ると、何気ない社内でのコミュニケーションとか、社内では普通のことがとても魅力的で価値のあるものだと感じることがあります。

自社の中でそんなポイントは何だろうと考えてもらえれば、魅力的なコンテンツ作りができるようになると思います。

まとめ

このように、採用シーンでは各タイミングによって“惹きつけ”を行うことが、非常に重要だといえます。同時に自社のブランディングや惹きつけの体系化、自社の強みを言語化するなど、具体的な取り組みを行うことで、転職検討層からの優秀な人材確保が必要です。そのひとつとしてnoteを活用することは、自社理解を深め、相手を惹きつけるために重要な要素と言えるのではないでしょうか。

レッドオーシャン化する転職市場で、最適な人材を採用するためのポイントを、ぜひ今後の採用活動に活かしていただければ幸いです。

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