名刺100枚のデータ化・共有の時間が5時間から30分に短縮。 営業効率を上げて、ビジネスチャンスを広げるIoTサービス開発会社
株式会社ワイズ・ラブ
大阪・堺市にて1995年創業。組み込み系システムやWebアプリケーション受託開発を行う。顧客の要望から派生して、自社オリジナルのIoTサービス・ソリューションの開発などに事業を拡大。2017年7月にリリースした自社サービス、物品位置管理IoTサービス「Xeye(クロスアイ)」は高い評価を得ている。
- 目的
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名刺情報のデータ化の正確性を上げたい
社内で名刺を共有できる状態になるまでのスピードを上げたい
- 課題
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手入力で名刺データを修正する手間を省きたい
名刺交換してから、連絡ができるようになるまでの時間が遅い
- 効果
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100枚で5時間かかっていた名刺のデータ化が30分に短縮
東京で名刺交換した直後に、大阪の社内からサンプルが発送できるようになった
1カ月の作業時間が275時間削減するサービス
<お話を伺った人>
営業部 サービス企画担当 内橋由利香様
当社は組み込み系のシステムやWebアプリケーションの開発を行っている会社です。業務系の受託開発が主軸で、モノに何かを取り付けたり、そこからデータを抽出したりすることで現場の業務を効率化させるシステム作りが得意です。ユビキタスやIoTと言われるような「モノとモノ、モノと人がつながる」システムを開発し、その技術を応用して自社サービスにしていくというのが、当社の事業の特徴です。
中でも、もっとも力を入れているのが、「Xeye(クロスアイ)」という物品位置管理IoTサービスです。GPSやビーコンを使って、モノの位置を「見える化」し、探す時間を減らすことで、運用効率や生産性を向上させることができます。
どのような場面で役立つかというと、例えば車両製造の現場。車両製造は、最終工程で広大なフィールドに数千台の自動車を一時保管して整備を行います。しかし、あまりにも広すぎるため、どの車がどこにあるのかを探すのがとても大変だそうです。そこで「Xeye」が活躍します。「Xeye」を利用すれば、自動車の位置がアプリやWeb上で確認できるようになるため、人の目で探さなくても、効率良く見つけ出して出庫できます。1ケ月に275時間もの業務時間の削減が実現したケースもあるんですよ。 「Xeye」は自動車業界をはじめ、工場や建設現場など、探すムダが発生しているあらゆる業種で活用できるため、たくさんの企業様から引き合いをいただいています。
当社は大阪・堺の社員数13名の小さな会社ですが、「Xeye」によって、想像していなかったような大手企業からも問い合わせをいただくようになりました。だから名刺交換させていただく機会が非常に増えたんです。それが「Eight 企業向けプレミアム」の導入を考えたきっかけでした。
Eight 企業向けプレミアムの導入メリットを
資料にまとめて社長にプレゼン
実は「Eight 企業向けプレミアム」を導入する前、名刺管理のために別のシステムを利用していたんです。といってもクラウドとは縁遠いパッケージ型のシステムで、スキャンしてOCRでデータ化をするのですが、そのデータがほとんど間違っている。だから結局手打ちで直す必要があって。それにデータを社外から見ることができなかったため、出先でも見られるようにするために、一度データをエクスポートして自社のデータベースにアップしてwebに表示して…という面倒なフローで運用していました。
さらに、名刺のスキャンを行う担当を決めて、ある程度の量の名刺が集まったら、担当者がまとめて取り込むという運用をしていました。となると、名刺交換をしてからデータとして共有されるまでに時間がかかってしまいます。システム自体の動きも重く、名刺を1枚取り込むのに時間がかかる。そこで、私がこの名刺スキャンの業務を引き継いだのを機に、何とか改善できないかと思ったんです。
もともと、私は個人で「Eight」を使っていて、その便利さを理解していました。だから、Eight以外のサービスもいろいろと検討したうえで、リリースしたばかりだった「Eight 企業向けプレミアム」の導入を社長に直訴したんです。
以前のシステムだと名刺を1枚取り込むのに約3分かかったので、100枚ならそれだけで5時間です。恐ろしいですよね(笑)。そこで、反映されるまでのタイムラグと、導入した場合に作業効率がどのくらい上がるのかを数値化して資料にまとめ、社長にプレゼンしました。その結果、私の熱意が伝わったのと、金額も妥当だったことから、導入に至ったんです。
名刺交換したすぐ後に商品サンプルを発送できる。
もうビジネスチャンスは逃さない!
当社は社内で業務を行うエンジニアが多いため、Eight 企業向けプレミアムを利用しているのは2人の営業と社長、私の4人です。営業も社長も外回りが多く、特に社長は東京など遠方に行くことも多いのですが、例えば東京の展示会で社長が名刺交換をした場合、すぐに名刺が共有できれば、社長が大阪に戻る前に商品のサンプルを相手方に発送できるんです。こうしてスピードが上がれば上がるほど、ビジネスチャンスは広がりますよね。
私個人としても、皆の名刺を取り込む作業がなくなったので、その分の時間を他の仕事にあてられるようになりました。決して私自身が楽をしたくて導入したわけではないことを、この場でも声を大にして言っておきます(笑)。営業メンバーもクライアントへのアプローチのスピードが上がったと喜んでいて、もらった名刺はすぐにスキャンする習慣がついているようです。
いまはまだ名刺管理の機能を主に利用していますが、今後は「企業ページ」をもっと使っていきたいですね。いまは基本的に自社HPで全ての情報発信を行っているのですが、もっと効率良く、ビジネスにつながる確度の高いお客様とつながる方法はないかと模索していました。社長をはじめ、SNSを使って拡散させるやり方には抵抗がある社員も多いようですが、一度名刺交換した人だけに情報発信ができるならベストです。展示会のお知らせや自社サービスの紹介、新しい取り組みについての情報などを、リードナーチャリングのような取り組みとして進めていければと考えています。
新しいことをやりたい人に、新しいモノで応える会社
創業以来、あらゆるものを「つなげる」ことにこだわってシステムやサービスの開発を行ってきたワイズ・ラブだからこそ、さまざまな会社の「IoTへの第一歩」を支援できるのではないかなと思っています。IoTという言葉は一気に浸透しましたが、まだまだ「よくわからない」「事例が思いつかない」「お金がかかりそう」などと敷居の高さを感じている企業が多いのも事実です。そのハードルをできるだけ下げて、「Xeye」のようなサービスを通じて「IoTへの第一歩」を提案していきたいですね。
特に中小企業の場合は、コストの問題などもあり、新しいことを始めるのに二の足を踏むことは多いでしょう。だからといって非効率の状態を放置するのではなく、まずは簡単に一歩を踏み出すことで、次に進みやすくなると思います。そのために、当社ではシステムの費用を可能な限り低価格に抑え、企業規模や現場の状況に合わせたソリューションでアプローチをできればと考えています。
面白いと思ったことにはフットワーク軽く取り組む社風ですから、メーカーではないはずなのに、「新しい物を作りたいので試作品を作ってほしい」という依頼も多くいただきます。新しいことをやろうとしている人に対して新しいモノで応えるというのが、当社の役割なのかもしれないと感じます。社長は「イノベーターtoイノベーター、ItoIビジネスだ!」なんて勝手に言ってますが(笑)、これからも「面白い」「役に立つ」と心から思えるものを、いろいろと提案していきたいですね。