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メールの配信数が10倍に。社内に眠っている名刺をデータ化し、デジタルマーケティング推進に成功した情報流通の老舗企業

株式会社オークネット

「インターネット」という言葉さえなかった1985年の創業当時に、通信による中古車の電子商取引『中古車TVオークション』事業を開始し、多岐に渡る事業領域で情報流通革命を起こす情報流通サービス会社。2020年1月にはブランド品事業で米国に新会社を設立するなど、日本国内だけでなく海外でも躍進を続けている。

株式会社オークネット
社名
株式会社オークネット
事業内容
情報流通サービス
設立
1985年
従業員数
664名(連結)
URL
https://www.aucnet.co.jp/
目的
アナログなマーケティング手法から脱却し、デジタルマーケティングを推進したい
社内に眠っている名刺情報を活用したい
課題
FAXやチラシなどアナログのマーケティング手法が中心で、定量的な効果測定ができていない
メールマーケティングに必要なリード作成の仕組みがない
名刺管理方法が属人化しており、社内の名刺情報が共有されていない
効果
デジタルマーケティング推進の土台を構築することができた
メール配信数が10倍に増えた
名刺情報のデータ化が組織拡大に貢献した

<お話を伺った人>

四輪事業本部 事業推進部 データマーケティンググループ 段裕之様

当社は世界初の中古車TVオークションから事業をスタートさせ、今年で創業35周年を迎えます。「インターネット」という言葉さえなかった創業当時から通信による中古車の電子商取引をスタートし、現在では中古車事業に加えて中古バイク事業、花き事業、デジタルプロダクツ事業、ブランド品事業、医療機器事業、ITプラットフォーム提供事業など多岐に渡り、事業を展開しています。

私が所属する四輪事業部は、創業当時からの主力事業で、全事業部の約6割の売上構成を占めています。四輪事業部のビジネスをわかりやすく例えると、メルカリのBtoB版というイメージです。メルカリさんはCtoCですが当社は会員制プラットフォームの中で販売店と購入者を増やし、中古車流通を拡大しています。私が所属するデータマーケティンググループのミッションは、中古車流通を拡大するための、マーケティング施策の立案・実行を行うという点にあります。

本社の青山オフィス
本社青山オフィスの受付。全国7拠点で多岐に渡り事業を展開している。

効果的な顧客開拓の実現に向け、デジタルマーケティングに本腰を入れた

当社の事業は一般消費者向けのネットオークションとは異なり、出品・落札側のいずれも会員企業向けにサービスを提供しています。四輪事業を中心に、デジタルプロダクツ事業や情報流通事業など、幅広い事業領域を有しております。これらの事業領域で出品者と落札者のマッチングを効果的に行うため、デジタルマーケティングの推進が必要であるという認識は当社の中でも10年ほど前からありました。

しかし、中古車業界はIT業界と比較して、マーケティングや営業手法が未だアナログ寄りです。今まで当社のマーケティング施策は主にFAXやチラシ配布などが中心でした。この方法だと定量的な効果測定ができず、施策ごとに何が原因で成功・失敗したのかがわかりません。より効果的な顧客開拓を実現するためにデジタルマーケティング推進に本腰を入れることになりました。

これまでアナログ寄りのマーケティング手法が中心だった当社でしたが、一気にデジタルマーケティングを推進していこうという決心のもと、全社でマーケティングオートメーション(以下MA)ツールを導入しました。

しかしMAツール導入後、ある重要なことに気づきました。MAツールにリードを作成する上で必要な顧客情報がデータ化されていなかったのです。従来の連絡手段はFAXが主流だったため、メールアドレスをはじめとする顧客情報がデータ化されていませんでした。
そこで新たに顧客情報を取得する仕組みを社内に構築しようと考えましたが、Webの改修はもちろん社内の運用体制を大きく変える必要があり、実現までに相当な費用と工数が掛かると判断したため断念しました。

社内に眠っている名刺情報をデータベース化したい

代替案を模索している中、顧客情報である大量の名刺が社内に眠っていることに気づきました。しかし、それらを活用できていなかったのです。

社内の名刺情報をデータ化すれば、MAツール上でリードの作成やリードへのアプローチが可能になります。そこからMAツールにデータを取り込める名刺管理サービスの導入を検討することにしました。

私たちは、名刺管理サービスを検討する上で2つの条件を考えました。1つは名寄せ機能があることです。顧客情報が整備されていないデータベースでは、同じお客様でも登録した名刺情報が重複する場合があります。そのため、お客様に同じメールを複数回送信する可能性が考えられます。これではお客様からの信頼を獲得できなくなると判断し、顧客情報を正確な管理できる名寄せ機能が必要だと考えていました。

もう1つはMAツールと連携できることです。MAツールと連携できなければ顧客リストをインポートする工数が発生します。本来実施すべきマーケティング施策に掛ける時間が削られてしまっては本末転倒だと判断し、MAツールとの連携は必要だと考えていました。
上記の背景から、名寄せ機能とMAツール連携、2つの条件を満たすことが名刺管理サービスを導入する上で重要でした。そして、それらの条件を満たしている法人向け名刺管理サービス「Sansan」の導入を検討しました。

他事業部にもMAツールを活用した体制を展開したいと考えていたため、豊富な機能や拡張性があるSansanは最適なサービスだと認識していました。しかし、Sansanを導入した場合の費用を試算したところ、予定していたコストを大幅に超えることが判明しました。
デジタルマーケティングとして成果が挙げられていない中で、予定以上のコストを投下するのは現実的ではないですし、導入後すぐに費用に見合った成果が出せず、結果、デジタルマーケティングの推進自体が頓挫するということも危惧していました。

Eight Team 導入検討ガイド
Eight Teamは、組織の人脈を手間なく集約しすぐに活用できる名刺管理サービスです。まずは資料をダウンロードしてご覧ください。

第一歩として「Eight 企業向けプレミアム」を導入

Sansanと比較して安価で導入障壁の低い名刺管理サービスは他にないか。そう考えていたときに出会ったのが「Eight 企業向けプレミアム」です。

導入するにあたり、着実に社内のデジタルマーケティングを推進していくために以下の2つのステップが必要だと考えました。

最初のステップは、企業向けプレミアムを導入して名刺管理・デジタルマーケティングが業務に役立つことを認識すること。これが実現すれば多くの名刺がデータ化されます。

次のステップはEight 企業向けプレミアムに取り込んだリード情報をSansan に移行させること。Sansan に比べて企業向けプレミアムは圧倒的に費用が抑えられますが、名寄せ機能とMAツール連携の機能はありません。リード情報があっても名寄せできなければ真の1to1マーケティングは実現できませんし、MAツールと連携していないと、インポートの工数が発生してしまうのです。

この2ステップを辿れば着実に社内のデジタルマーケティングを推進できると判断し、推進の第一歩として企業向けプレミアムを導入することに決めました。

デジタルマーケティング推進のための土台を構築。メール配信数も10倍に

1点目は、デジタルマーケティング推進のための土台を構築することができました。

それまでメールの配信件数は多くて2,000件程度だったものが、企業向けプレミアム導入後は20,000件にまで膨らみました。導入前と比較すると対象リストが10倍も増えたことになります。また、営業からは月に数百件の名刺情報が新規登録されます。安定的なリード獲得ができるようになったことで、マーケティング施策を実行できる土台を構築できたと思っております。

2点目は、名刺情報のデータ化が組織変革にも貢献したことです。

企業向けプレミアムの利用を社内に浸透させるために、地道に営業社員とコミュニケーションを取りました。合計で3万枚の名刺をスキャンしました。スキャンの方法としてはScanSnapで名刺をスキャンし、企業向けプレミアムに名刺データを取り込んでいきました。実施の影響で営業現場も徐々に企業向けプレミアムを使って名刺管理をすることが根づいていった結果、社員からは「すごく便利だね」といった言葉を多くもらうことができました。企業向けプレミアム導入によって、名刺管理を行うことの利便性を営業現場がしっかりと実感することができたと思っています。過去に交換した名刺を活用することで実現できた成果だと思っています。

結果として、約3万枚の名刺情報をリードとして得て、マーケティングとして一定の成果が得られたのを見て、次のステップであるSansanへと移行することができました。はじめはSansanの中でも最も割安なプランであるLiteエディションを導入しようと考えていたのですが、「単に名刺を管理・共有するだけではなく、もっとデータドリブンな施策を行いたい」という営業部の意向で、上位プランであるDXエディションを導入することになりました。

当初はデータマーケティンググループの中で産声をあげたデジタルマーケティング推進の動きが、とうとう営業現場まで巻き込むことができたと、企業向けプレミアムを導入したことの意義が報われた気がして安堵したことを今でも鮮明に覚えています。今年に入ってからはデジタルマーケティングのさらなる推進を目的に営業部からインサイドセールス部隊も立ち上がり、組織変革にも貢献できたと感じています。

企業向けプレミアムはMA導入の第一歩。マーケターにとっては欠かせない存在。

デジタルマーケティング推進の土台が構築できたので、今後は様々な施策にチャレンジし、成果を出すことにこだわっていきたいと考えています。企業向けプレミアム導入後からSansan移行に至るまでの期間は、当社にとって非常に大事なステップアップ期間だったと実感しています。ガソリンがなければ車は走らないのと同じで、MAツールという強力なエンジンを持っていたとしても、名刺情報というガソリンがなければマーケティング施策は成果を上げていきません。そのため、当社にとっての企業向けプレミアムはガソリンを供給してくれる大切な存在。今後の当社の躍進に企業向けプレミアムは欠かせない存在だと考えています。

最後に、「アナログなマーケティング・営業手法をデータドリブンな形に変えていきたい。でも、社内で発信していくのには相応のハードルがあって実現に至らない」という志を持つ方やマーケターの方には、企業向けプレミアムを強くお勧めします。
当社のようにMAツールを導入していなくても、マーケティングを行うにはリードの作成が必須です。これが最も安価で実現できて、且つ将来的なSansanへの拡張も視野に入れてチャレンジできるサービスとして、企業向けプレミアムはまさに必要な存在だと考えています。

※インタビュー内容は、2020年3月3日時点のもの

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