工業プラントをはじめとした産業設備を製造する株式会社小澤製作所は、プラント施工管理の採用にSansan株式会社のEight Career Designを活用し、経験者1名の採用に成功しました。採用に苦戦していた同社の課題感や、Eight Career Designの活用方法、スカウトやカジュアル面談のコツを伺いました。
一人当たり売上1億円超の成長企業が直面している、深刻な採用課題とは
<お話を伺った方>
代表取締役社長 香山 健二様
──まずは小澤製作所の事業内容を教えてください。
香山様(以下、香山):当社は2025年で創業54年を迎える愛知県のモノづくり企業です。事業内容は主に、製造部門と不動産部門の二つ。製造部門では、工業プラントをはじめとした産業設備について、設計から製造、施工、メンテナンスまでワンストップで提供しています。拠点は愛知県ですが取引先は全国規模で、茨城県や島根県に出向くこともありますね。また、不動産部門では駐車場運営管理の事業を展開中です。社長は二人体制をとっており、私はバックオフィスや経営全般、不動産部門を担当。もう一人の社長は製造部門を統括しています。
売上規模としては、全体18億円のうち製造部門が15億円、不動産部門が3億円。従業員が25名なので、単純に考えると施工管理一人で1億円以上売り上げる計算となります。
──社員一人当たりの生産性が非常に高いのですね。創業から変わらず、少数精鋭での経営方針なのでしょうか。
香山:いえ、企業規模を拡大していきたいと常々思っており、2025年の半年間だけでも4名採用しています。リソースに余裕があればお受けできるはずの案件も、現在は人手不足でお断りすることがある状況。それだけニーズは高く、人が増えれば増えるほど増収につながるビジネス構造でもあるのに、なかなか思うように採用できないことが、非常にもどかしい悩みですね。

──なるほど。積極的な採用活動をされているとのことですが、普段どのようなチャネルを利用されていますか。
香山:ありとあらゆる求人媒体や紹介会社、ダイレクトリクルーティングサービスなどを使っています。ただ、人手不足の業界の専門職・経験者採用ということもあり、一人あたりの採用コストは約1,000万円。そして、紹介料のかからない求人媒体では全く反応が得られないため、どうしても高額な紹介会社に頼りがち。結果、年間数千万円が採用費に消えている状況です。
──かなり苦戦されていますね。ちなみに、今回募集された「プラント施工管理」はどのような職種ですか。
香山:プラントを施工する際の安全管理業務はもちろんのこと、工程管理、品質管理、原価管理まで、全工程を管理し、責任をもって進行していくのがプラント施工管理の仕事です。難しい仕事であるが故に経験者は即戦力として活躍できる一方で、中途入社の方にも教育期間を設け、段階的に学べる体制を整えています。
スカウト返信率は15%と好調。カスタマーサクセスのアドバイスでPDCAを回し、面談につながるように
──数々の採用サービスを利用されてきた貴社ですが、そのなかでもEight Career Designに興味をもたれたきっかけや、導入の決め手を教えてください。
香山:もともと私自身が名刺アプリ「Eight」のユーザーでした。利用中に届いたメルマガを通じて、Eight Career Designを知ったのがきっかけですね。そもそも、Sansan社のことは立ち上げ当初から認識しており、成長していくスタートアップ企業として注目していたんです。そのうえで、Eight Career Designは「名刺データを基にしたダイレクトリクルーティングサービス」だと聞いて、これまでになかった新しい仕組みに期待感が高まりました。費用面もトライアルしやすく、まずは試してみようと思ったのが始まりです。

──実際にEight Career Designでプラント施工管理の募集をかける際、どのような対象にスカウトを送っていましたか。
香山:スカウトは「プラント」「生産技術」などのキーワードで絞り込み、施工管理の経験者や関わってこられた方に送っていました。エリアは愛知県を中心に、反応を見ながら徐々に東海地方、全国へと広げていきました。
──スカウトの反応はいかがでしたか。
香山:返信率は約15%と、他サービスよりも非常に高い反響がありました。名刺データでターゲットをしっかり絞り込めたことによって、効率的にマッチングできたのではないでしょうか。また、今回は社長の私自身が直接スカウトを送ったことによって、候補者にプレミア感を感じてもらえたのかもしれないです。

ただ始めた当初は、返信があってもなかなか面談できずに苦戦しましたね。しかし、カスタマーサクセス担当がアプローチのタイミングからスカウト文面まで、定期的に的確なアドバイスをくれるので、徐々に面談につながるようになっていきました。アドバイスはいつも、具体的かつ数字にもとづいた提案であり、納得感もあるためすぐに取り入れることができています。
──カジュアル面談はどのように実施されていますか。
香山:私ともう一人の社長、加えてGM(ゼネラルマネージャー)4~5人が集って、大人数で実施しています。社長決裁前の最終ジャッジは採用する部門のGMに任せますが、基本的にはみんなで意見を出し合って相談しますね。面談中はできるだけ現場のGMに任せて、私は社長だからと言ってあまり口出しはしすぎないように意識しています。にこやかに場を明るくできたらと思っていますので、候補者が話しやすい雰囲気が作れていたら何よりです。
候補者の不安に寄り添い、面談やメッセージでじっくり払拭。9ヶ月のコミュニケーションを重ねて経験者採用に成功
──今回Eight Career Design経由で採用に至った方についても教えてください。
香山:採用となったのは、愛知県内の施工管理会社で勤務していた、施工管理や設計の経験が長い方です。当初は設計職を希望されていましたが、面談を進める中で経験やスキルを踏まえ、施工管理職としての採用となりました。ただ、施工管理の仕事にも設計の要素は含まれるため、設計経験があることは当社としても非常にありがたいポイントですね。
また、この方の魅力は素直な人間性。施工管理という職種は社内外の多くの人と関わるので、人間関係に不安を感じていたようですが、カジュアル面談で率直に悩みを打ち明けてくれたのが印象的です。それに対し、現場のGMたちが味方となって、面談中や面談後のコミュニケーションで丁寧な回答をしていきました。候補者の方のペースに合わせ、9ヶ月ほどじっくり対話を重ねたうえで、不安を払拭し、無事入社いただくことができました。

──Eight Career Designと他の採用サービスを比較して感じた違いはありますか。
香山:一番の違いは、「企業名が見える」という点でしょう。名刺データを基にしたサービスですから、どの企業のどのポジションの方なのかがはっきりとわかります。今回採用に至った方が所属していた企業も、同じ県内の同業他社なのでもちろん認識していました。企業から規模感や担当業務がイメージしやすく、安心感がありましたね。
また、返信率は他サービスと比べると高かったです。お断りの場合でも、丁寧なメッセージで返ってくることが多く、候補者の質の良さを感じました。高い返信率のおかげで多くのカジュアル面談を組むことができ、結果的に1名の採用にもつながっていますので、費用対効果は非常に高く、満足しています。
「やりつくした企業」こそEightを! 名刺データベースで転職潜在層に出会えるチャンスあり
──Eight Career Designはどのような採用課題をもつ会社におすすめですか。
香山:「あらゆる採用手法をやりつくしても採用できずに困っている企業」に、ぜひおすすめしたいです。当社も求人媒体や紹介会社など、考えられる限りのチャネルを使い切ってしまっていましたから。そんな状態でも、Eight Career Designは他サービスにはない名刺情報をもとにしたデータベースがあるので、これまで出会えなかった転職潜在層に出会えるチャンスが眠っていると思います。
──最後に、今後の会社の展望や採用戦略について教えてください。
香山:さらなる規模拡大のために、全国展開を本格化させ、売上規模を現在の18億円から50億円、さらには100億円へと拡大していきたいと考えています。そのためには人材確保が欠かせません。今後もさまざまなチャネルをフル活用し、採用活動は変わらず続けていきます。
そのなかで、実績のあるEight Career Designは引き続き活用していくつもりです。次は、設計職や不動産部門の営業職など、異なる領域の採用でも成功を期待したいですね。
※インタビュー内容は、2025年6月17日時点のもの
執筆・撮影:安光あずみ