スタートアップ参入が少ない事業領域で、熱量の高い人材を求める
<お話を伺った方>
代表取締役CEO 金箱 遼様
──マイホムの事業内容を教えてください。
金箱様(以下、金箱):マイホムは注文住宅を作る方々の体験をより良くすることを目指し、注文住宅を建てるお客様と工務店のそれぞれに向けたアプリ開発事業を展開する会社です。家づくりの際に必要となるコミュニケーションや工程管理を一つのアプリでマネジメントすることで、理想の家づくりをサポートします。
創業の背景としては、人生で一番高額と言われる買い物なのに、お客様がそれにふさわしいサポートを受けられていないと気づいたからです。業界全体も「家本体の機能」を良くすることに注目していて、それもとても大切なことですが、「家をつくる体験」を改善して、お客様がより「自分らしい家づくり」ができるサポートをすることも大切です。前身のβ版のサービスの将来性を出資者である前澤友作さんから期待いただき、創業することができました。
──これまでの人材採用への取り組みと、採用目標について教えてください。
金箱:2021年2月に創業したばかりのスタートアップで、人事にかけるリソースは限られています。新卒採用は今のところ実施しておらず、第二新卒を中心とした中途採用を行ってきました。この2年間でオンボーディングや研修といった採用後の仕組みは整えられたと感じています。
採用の訴求軸は、私たちが「衣食住」の「住」に関わる事業を展開していることです。誰にとっても身近なテーマを扱っていることと、住宅領域に挑戦するスタートアップは比較的少ないことが、採用市場における他社との差別化につながっていると考えています。
特に地方で生まれ育った人にとって一軒家はイメージしやすい住まいなので、私たちが目指す未来に共感していただけることも多いようです。
私たちは「マイホームにアプリを導入するのが当たり前」な世界を実現したいと考えています。前例のないチャレンジには正攻法がないので、このビジョンを実現するためには、チーム全体の熱量が高くなければなりません。
したがって、試行錯誤の道のりを楽しめる、チャレンジを続けられる人材が私たちの会社には必要です。
職種問わず特に求めているのは、「こだわり抜く」ことです。当社のプロダクトは全て社内で開発・デザインされていますが、これはお客様の体験を向上させるため、最後の最後のほんのわずかな改善に対してもこだわり抜くチームになっています。
また、ビジネスサイドのメンバーに関しても、新しいことを成し遂げるための泥臭い努力を惜しまず、ビジョン達成に向けて工夫を続けられる人が望ましいと思います。
誠実な営業姿勢とSansanに対する信頼がサービス利用の契機に
──Eight Career Design導入の背景をお聞かせください。
金箱:お問い合わせフォームを通じてEight Career Design(以下、ECD)のサービスについて担当者からご連絡いただいたのがきっかけです。当社でも採用方法について再検討している時期だったので、ダイレクトリクルーティングに対する興味はありました。
ダイレクトリクルーティングサービスが複数ある中でもECDの利用を決めたのは、営業担当の方に好感を持ったからです。あくまで個人的な感覚ですが、“フェアな商談”という印象を受けました。
ECDは誕生して間もないサービスでしたから、いろいろと試行錯誤している最中だったのでしょう。フラットな営業姿勢が逆に好印象でした。私たちもまだ創業間もないタイミングだったため、カルチャーの類似点を見つけ、共感する部分もあったのかもしれません。
──不安はありませんでしたか?
金箱:母体となるSansanのサービスは私も利用しており、コーポレートブランドに対する信頼がありました。そのため、新しいサービスだからという観点での不安は一切ありませんでした。
マッチ度の高いキャリア豊かな人材に、早期から的確なアプローチ
──今回入社された方について教えてください。
金箱:今回募集していたのは、オペレーション・マネージャーというセールス関連のフロー改善を担うポジションです。ですが、実はEight Career Designを通じて出会えたその方は、最終的にマーケティングのポジションで採用することになりました。
というのも、その方は外資系メーカーで事業企画やマーケティングなどを幅広く担当した経歴がありました。
私たちが求めていたセールス・オペレーションに関わる実績もあったためスカウトがヒットしたのですが、お話を聞いていくうちに、マーケティング領域で活躍できる人材であることがわかったのです。
ブランディングに対する知見の深さや、過去に携わった制作物の品質を通じ、その方がマーケティングにおいて極めて優秀な人材であることは一目瞭然でした。
また、全メンバーがマルチタスクを担いながら事業推進していく必要のあるフェーズの当社には、この方のように幅広いスキルを持ってマーケティングに臨める人材は非常にマッチしていると判断しました。
──採用成功に結びついた要因はどこにあったと思いますか。
金箱:まず挙げられるのは、自社の魅力を早期からしっかりと伝えることができた点です。今回の採用に関しては、一次面接から私が面接対応をしたこともあり、競合他社との違いや訴求ポイントを解像度高く候補者に伝えられたと思います。
今回の候補者に特に響いた点は、当社が共同代表制であることです。私ともう1名の代表である乃村が、それぞれ異なる強みを活かしつつ経営に臨んでいることを「バランスが良い」と評価いただきました。
私がロジカルに物事を捉えるタイプである一方、乃村はエモーショナルに訴えかけられるタレント性があります。そして出自も私がエンジニア、乃村が注文住宅業界なので、プロダクトと業界への理解が実現しています。そういった魅力を、適切に伝えられたのだと思います。
経験豊富な上位レイヤーの人材に的確にアプローチし、採用につながる
──Eight Career Designを活用して良かった点はありますか。
金箱:Eight内にピックアップされた時点で、すでに自社とマッチ度の高い人材が集まっていることは印象的でした。また、スカウトメールに対する分析とフィードバックをいただき、文面をアップデートしたことで返信率を改善できたことも良かったです。
改善ポイントは、業界特有の文言や職種名の再認識です。例えば、カスタマーサクセスを募集するとしても、注文住宅業界ではこのカスタマーサクセスという名称自体にあまりなじみがありません。
同業界でキャリアを持つ方からのレス率が下がっていたため、わかりやすいよう「コンサル」と置き換えてみたところ、良いレスが返ってくるようになりました。
今回、創業間もないスタートアップでありつつも、経験豊かな上位レイヤーの人材にアプローチし、採用につながったことが何よりもの成果だったと感じています。
──今後の採用の展望を教えてください。
金箱:今回採用に至った候補者の他にも今後アプローチできそうな人材の情報を獲得できたので、これを今後の採用に活かしていきたいです。
2023年現在、当社は20名程度の組織ですが、次のフェーズを担う中核人材を採用していかなければなりません。
そのため、採用活動についても今回のようにタレントプールを作り、時間をかけてアプローチしていく形へとシフトチェンジしていければ、と考えています。その中では、今回採用を実現できたECDを改めて活用していきたいですね。
※インタビュー内容は、2023年1月13日時点のもの
執筆:宿木雪樹 撮影:安井信介 編集:南野 義哉(プレスラボ)