現場エンジニアと連携する採用組織づくり
セミナーレポート
2020年8月31日 開催

クックパッド・Sansanの人事が語る 現場エンジニアと連携する採用組織づくり

エンジニアの採用を強化するためには、他の業種とは異なる課題を克服していく必要があります。

弊社が展開している採用ソリューション「Eight Career Design」においても、実際にエンジニアの採用に課題を感じているお客様の声をよく耳にします。

そこで今回は、エンジニア採用に軸足を置き、現場のエンジニアと連携する採用組織づくりという観点からセミナーを開催。クックパッド株式会社人事部の採用グループ長を務める大枝様、そして弊社エンジニア採用責任者の田中をパネラーに、「現場エンジニアと連携する採用組織づくり」と題して行ったディスカッションの様子を一部ご紹介いたします。

登壇者

大枝 絢(おおえだ・あや)

クックパッド株式会社 採用グループ長

2010年にクックパッドに入社。一度人事を経験した後、サービス開発ディレクターとしてレシピ事業や新規事業開発に携わったのち、2016年より再び人事部にて採用グループ長を務める。

田中 達也(たなか・たつや)

Sansan株式会社
人事部新卒/中途 エンジニア採用責任者

2017年に営業職としてSansanに入社。インサイドセールスを経験後、新卒採用グループにジョイン。2年間、新卒の全職種の採用に携わったのち、2020年6月から新卒中途横断のエンジニア採用責任者を務める。

Sansan・クックパッドの採用状況

まずは2社の事業概要や採用状況について確認していきましょう。

Sansanの採用状況

Sansanでは特に2017年以降、全職種に対して大幅な採用増を行っています。エンジニアは25%程度で、半数近くがエージェント経由、3〜4割がダイレクトリクルーティング、残りがリファラルなどによる採用です。2020年期はエンジニアだけで70名ほどの採用目標を掲げています。

Sansanの採用状況

クックパッドの採用状況

クックパッドの採用状況

レシピ事業の国内月間利用者数が約6,100万人にものぼるクックパッド。国内の従業員数が約300名、そのうち100名ほどがエンジニアです。採用チャネルはリファラル採用とキャリアサイト、そのほかはダイレクトリクルーティングやイベントからの採用が占めています。

※数値データは2020年9月末時点のものとなります

2社が語る「現場エンジニアと連携する採用組織づくり」

ここからは実際に2社が行っている、現場エンジニアと連携した採用組織づくりについてお話を伺いました。

組織デザイングループを作り現場と連携(Sansan)

Sansanでは、法人向けサービス「Sansan」と個人向けの「Eight」それぞれで採用部門を設けています。これは事業規模や成長フェーズ、また向き合っている課題が異なるためです。

ここではSansan事業部における現場エンジニアと連携した採用組織づくりについて語りました。

田中:Sansan事業部には『組織デザイングループ』という、開発の中でも独立したグループがあります。開発部長やCTOから、採用・評価・育成の3つについての権限が委譲されていて、人事部とコミュニケーションを取りながら、全体を設計しています。

組織デザイングループ誕生のきっかけは、かなりチャレンジングな数字を計画した、2年前の中期経営計画でした。達成のためには、『ブッ飛んだ発想で何かを変えないといけない』ということで、開発部長から採用・評価・育成の3つを切り離し、事業そのものに向き合える体制を作ったんです。

組織デザイングループができたことで課題の解像度を上げて、今後どういう風に設計していくかを意識しながら制度を運用できるようになりました。

採用組織づくりのポイントはトップメッセージと戦略的採用(クックパッド)

同じく100人規模のエンジニアを抱えるクックパッドでは、各部の部長が採用責任を負い、採用チームはプロジェクトリーダーのような立ち位置で企画立案や施策を行っているそうです。

一方で、中には部長のいない部署に配属されているエンジニアもいるため、横断的な取り組みへの声掛けや企画立案は採用チームが音頭をとって行っています。

そこで大事になるのがトップメッセージだといいます。

大枝様「CTOからは『採用はお手伝いでやるものではなく、自分が一緒に働きたい人材を自ら探せる素晴らしい活動なんだよ』というメッセージを、常時メンバーに伝えてもらっています。

例えばエンジニアの場合、2週間に1度は全社の知見を共有する Tech MTG があるのですが、そこで毎回言い続けてもらっていた時期もありました。こうした話は、1回では相手に響きません。何回も話し続けることで、やっと『あ、なんか聞いたことがある』と思うようになるんですよね。だからこそ、トップからしつこくても言い続けることが大事だと思います。

こうした雰囲気が醸成されたのは、大枝氏が入社した2010年頃に取ったエンジニアの採用戦略が元になっているといいます。

当時は組織全体で50名ほど、エンジニアは10人程度という状態だったので、まだまだ採用組織というものもないような状態でした。こうした中で、長期的な目線でやっていかなければならないというところで、2名のエンジニア採用において戦略を立てました。

一人目は高いスキルだけでなく、組織開発にも興味があるエンジニアをマネージャーとして採用することでした。そういう人が一人入ると、一緒に採用活動をドライブしてくれるんです。

二人目にはスターエンジニアを採用しました。理由は3つあります。

1.優秀な友人や知人を引っ張ってきてくれる
2.優秀なエンジニアがいそうなコミュニティを教えてくれる
3.社内の技術力を底上げする活動を社内で積極的に行ってくれる

長期的に見ると、特に3が重要だったといいます。

大枝:社内で色んなチャレンジをすることで、エンジニアメンバーが自信を持って外部発信してくれるようになります

実際にそのころは、勉強会を開こうとエンジニアを誘っても、結構断られていたんです。でも新しい取り組みを行ったり難易度の高い挑戦をすることで技術力が上がっていっている自覚が生まれ、勉強会にも積極的に参加してくれるようになりました。

何より自分たちのプレゼンス(存在感)の高まりも自覚してくれるんですよね。なので、自主的かつ継続的に外部発信してくれるようになって。その結果が10年後の今、長期的なリファラル採用やキャリアサイトからの自然流入というところに結び付いているな、と感じています

2社が掲げる「採用における今後の展望」

大枝:クックパッドではコーポレートブランディングも含めて広報に力を入れたいですね。ターゲットになるエンジニアに、弊社を認知してほしいなと。

新規事業にチャレンジしていても、まだ『ただのレシピ事業』と見られている部分が未だに根強い。もっと適切な分量とタイミングで伝えていくことにトライしていきたいなと思っています。人事組織って失敗しちゃダメという気質があると思うのですが、弊社はむしろどれだけチャレンジしたかの方が大事だし、そこが問われるんですね。

エンジニア採用って、絶対的な正攻法がないからこそ、人事施策についても小さく試して、ダメならどんどん潰して、新しいことにちゃんとチャレンジしていけるような土台を作って取り組んでいくことをやっていきたいです。

「現場が採用を自分ごとにする」ことが重要

田中:スタンスについては全く同じです。

現場のエンジニアがいかに採用を自分事化できるかというところを深めていきたいです。事業部側と人事部側の両方で採用目標を掲げて、完全にKGI・KPIを同期しながら一緒に運用していきたいです。

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